キャラなう。

キャラの気持ちを聞いてみる?
それともなんでも(!?)探偵団のレポートを見る?
◆にゃんにゃん…パニック!? 

※例の腹黒書記×筧亮一
※まさかの筧が?
※軽いエロ注意





















今までの夕舞へのセクハラやら悪戯やらが、回り回って自分に来たとしか、思えない。
よりによってなんで、なんで、―この薬が入ったお菓子を間違えて食べてしまったんだろう。
それも、柄にもなく自分が動揺していた、せい。
違う、―夕舞と俺の愛の触れあいを邪魔した、あの子のせいだ!

は、と短く熱い息を吐きながら、片手は口元に、もう片手は芯を持った熱いモノを緩く扱く。
悔しいことに、素直な銀の毛並みをもつ尻尾と耳はパタパタと揺れ、催淫作用からか、すぐに先走りがトロリと溢れた。

間違っても誰も来ないようにと鍵を締め切ったこの部屋は、普段は澄み切っているものの、今だけは澱んだ空気を漂わせている。

快楽に霞む翡翠の端で捉えたデジタル時計の日付に、筧は悔しげに唇を噛み締めた。
本当は、大好きで仕方がない赤い彼に、今己を辱しめている薬が入ったお菓子を食べさせ、快楽に染まった彼を食べようとしていたのに。
そう、猫の日に猫になった可愛い彼を食べようと企んでいたというのに、だ!

昇降口だということも気にせず、赤い彼に抱きついていた俺の前に、甘いマスクを被りながらも冷たい瞳を持っている彼が、現れた。
いつの日かは思い出したくないが、赤い彼ではなくまさかの自分に口づけをしてきた、彼。

後輩であり、生徒会の書記である彼は夕舞に抱きつく俺を見ては、冷たく笑いながら俺の頭に指先を伸ばす。
ビクリ、とほんの小さく肩を跳ねさせてしまいつつも、いつもの甘い笑みを浮かべながら、さりげなく伸ばされた手を払いのけた俺に、彼は楽しげに笑う。

…おそらく、俺の反応を探ろうとしていたからだろう。
それにより、微かに動揺してしまった俺は、いつもの自分では有り得ない失態を犯した。
そう、…この時は気づかなかったが、赤い彼には薬入りのお菓子を…いや、普通のお菓子をあげてしまったのだ。
そして、後で3時のおやつとして食べようと持っていた普通のお菓子…いや、薬入りのお菓子を俺が食べてしまったのだ。

気づいた理由は、急速に熱を持った身体。
遅効性なそれは、生徒会での執務前から蝕んだ。
確か会長と副会長は休み、他のものは仕事がない、そのため仕事が課せられていたのは自分だけだった。
いや、会長と副会長の仕事はあるけど、俺がする必要はないし。
…期限が迫ってたらやってあげたけどね。

だから安心していたんだ、鍵を締めておき、薬の効果がなくなったら何事もなかったように帰ればいい。
熱を持ち、己から生えた尻尾と耳を振りながら、―可愛い赤い彼を想像して、ヌきはじめたんだ。

「っ…んに…」

どんな感覚なのだろうと、好奇心から触れた尻尾からは、小さな電流のような快感が走る。
脳内では赤い彼が組み敷かれて喘いでいて、そんな彼を見下ろす自分が彼のナカを突き上げて―。

そろそろイきそうだな、って快楽にぼんやりと霞がかかった脳内の片隅で思った、瞬間。

カチ、と。
錠の落ちる音がし、セピア色の扉が開かれた。

驚愕に見開かれた、互いの目がぶつかりあう。
そして襲うのは、堪らない、―羞恥。

「っ、っ…!な、…何か用かな?」

大丈夫、あの角度からこの机の下は見えない。
けれど、当たり前だが尻尾と耳は隠せないわけで。
それも、…大変正直な尻尾は。

「ねぇ、なんで尻尾耳生えてるんです?」

そういう趣味、とか?

一見可愛い顔を持ちながらも、薄く唇を吊り上げながら近寄る彼は、驚きと警戒心からかピン!と立った俺の尻尾に指を伸ばす。

「っ…!」

またもビクリ、と震える肩を見ては逃がさないとばかりに、楽しげに笑われる。

触らないで、触らないで…!

走馬灯のように走る忌々しい記憶を唇を噛むことで堪えては、何とか偽りの笑顔を作って笑って見せた。

そうだ、なら自分から触れればいい。

そしたら、怖くなんて、…ないから。

小さな掌を掴み、極上の笑みを浮かべれば話題をそらすように、自ら告げる。

「何?生徒会室に忘れ物でもしたかい?」

「…それ、正直ですよ?…ねぇ」

…やめて、それは言わないで。

けれどその願いは叶わない。
だって、…鈍い銀の尻尾はこんなにも正直だ。

「怖いんでしょう?違いますか?…「触れる」のがではなく「触れられる」のが、」

…気づかれてしまった。
気づくのは、今頃どっかで幸せそうに恋人を想う赤い彼だけだと、生涯思っていたのに。

けれど、まだ俺は君を認めない。だから見せる、生徒会会計で赤い彼が大好きな「ただの筧亮一」を。
本当の自分は、見せれない。
過去に怯える「もう一人の筧亮一」は。

「何のことかにゃ?」

だからとぼけてみせる。
…その時に見た、彼のあの顔は多分、一生忘れられないだろう。

「ん、んん…!」

そう、―あの冷めた目に熱を宿し、苦しげに眉根を寄せながら、可愛らしい顔に雄の表情を浮かべてる、顔なんて―。

熱といきなりの息苦しさと、絡まった指先に震える尻尾が、力なく揺れた。

2014/02/22(Sat) 01:56

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