キャラなう。

キャラの気持ちを聞いてみる?
それともなんでも(!?)探偵団のレポートを見る?
◆グルグルあすにゃん 

―何をどう間違えたんだろうと、思う。

先日恋人に会った時。
俺はいい加減タチになりたかった為、卑怯だとは分かっていても、媚薬をアイツに使った。
自分はタチになれるし、アイツも気持ちよくなれるから一石二鳥だと思った筈なのに、…結果的に俺がネコで、しかもとてつもなく濃いプレイをすることとなった。

今でもあのプレイを思い出す度に顔から火が…っぁああもう、絶対ェあんなんやんねェ!!

汗をかいたグラスに並々と入る、飴色の液体を飲み干せば、喉が焼けそうな程に、口内と身体が熱くなった。
抱かれて気持ちいい、もっとしてほしい、幸せだと感じた自分に腹が立つ。
俺は、タチになりたい筈、なのに―。

「飛鳥、あんま煽ンなよ?ピッチ、早すぎると酔い回ンぞ」

「るせェ五十嵐!…オマエはいいよなー…その、…タチなんだろ?」

鼻で笑われたのが癪で、声をかけてきた男を睨みつければ、クツクツと笑われた。

無駄にイケメンな男は、黒髪を掻きあげると、俺のよか強い酒を簡単といった様子で煽り、俺を見遣る。

「何がおかしい!」

「オマエ、自分で気づいてねーのか?…抱かれて嬉しいって女みてーな顔、してンぞ」

……してない、してない、そんな、顔!
カッ、と熱くなる顔をそのままに睨みつければ、ぽふと頭を撫でられた。
ンだよ、と睨むもクスクスと楽しげに笑われ、口を噤んでしまう。

「…ネコでも善くしてやれンだろ?「アイツ」とかそうだし。冗談で抱きたいならいいと思うが、ンなに悩むならタチなんざしねーほうがいい。まあ、…好きな奴を善くしてやりてェ気持ちはわかるが」

アイツ、と言った瞬間の五十嵐の顔が、いかにアイツを愛しく思っているのかを物語っていて。
あぁ、あの五十嵐にこんな顔をさせられるアイツという人物は、どんだけすげー奴なんだろ。

五十嵐の言葉はムカつくけど、すげー沁みて。
……痛い所を、突かれた。

カラン、と氷の入ったグラスに入る冷水を煽り「サンキュ」と小さく告げた。
…アイツにはネコがいいだなんて告げないけれど、…たまにタチになって、アイツを善くしてやれたらいい、だなんて。
―俺も、バカなのかもしれない。

五十嵐はフン、と鼻を鳴らすと手を離して、ダーツの方へと消えていった。

遠くで聞こえる、相変わらずの夕舞と筧のいたちごっこな言い合いにクスクスと笑いながら、近寄った。

―次会った時は、ちゃんと善くしてやりたい。

口では言わねェけど、―愛してる、から――。


「あー飛鳥、あれ媚薬じゃなくて精力剤だからー」

「っな!?オマエ、あれで俺がどんだけ辛かったと…!」

「だって飛鳥、…口では言ってないけどさ、ホントにはタチ、シたいと思えないからって薬頼るんだもん…ちゃんと思えるようになったらあげるから」

「……筧、俺に貸せ」

「っ!夕舞…!!?だ、ダメ!夕舞がタチなんて、しかもワンコくん相手にタチなんて俺が許さない!」

「オイ、飛鳥に言ってることと違ェだろうが」

「夕舞、オマエこの間酔いながら、恋人に抱かれて嬉しかったって話してただ「飛鳥!!」」

「(この2匹のにゃんこが、タチなんて有り得ない…)」

藍色のにゃんこと赤色のにゃんこが言い合う中、銀色の狐は小さく嘆息した。

2013/12/19(Thu) 17:26

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