キャラなう。

キャラの気持ちを聞いてみる?
それともなんでも(!?)探偵団のレポートを見る?
◆強気男前美人's( ←)の楽しいデート! 

夜の帳が降り、金色の月が浮上する、時刻。
ネオンに包まれるビル街の、電灯の下。
ズボン越しからでもわかる、スラリとした足に、艶めく藍色の髪とルビーのように美しい瞳を持つ青年は、細く長い指を飾るダイヤモンドに、口角を微かあげた。

ペアリングの片割れ持つ、チャラ男な面と真面目な面を兼ね備える、恋人には告げていないが、少年なりに真剣に働いて稼いだお金で、購入したもの。
しかし、今待ち合わせしているのは恋人ではない。

わんこのような恋人と付き合っている、親友だ。
同じ学校に通っているわけではないが、大人の遊技場によく通う二人は、いつの間にか親友になっていた。

「…来んのおせーよ」

「るせ、大体急に呼び出すオマエが悪ィんだろ」

ぼんやりと電灯により、微か和らいでいる闇から現れた、赤髪の親友に悪態を吐いた。
そんな少年に、赤髪の少年も負けじと返す。
しかし、互いとも口調が荒いだけで、然程怒っているわけではないのだ。

「オラ、いくぞ」

「たく、……んで、どこに行くンだ?」

ぶっきらぼうに、且つ俺様っぷりに言う親友に、赤髪の少年は小さく息を吐きながら、首を傾げる。
すると、ルビーの瞳を妖しげに光らせる少年は、強気に且つ愉しげに笑った。

「久々だろ?―ゲーセン」


喧噪が飛び交う、人工的な光に包まれる店内に、赤髪の少年は微か眉を寄せた。
勿論嫌いなわけではないが、久々に耳にすると、煩さに思わず眉を潜めてしまう。
一方、藍色の髪の少年は然程気にしていないのか、店内をズンズンと歩いた。

向かう先は、革製の大きな背凭れとゴム製のハンドル、そして大きな画面のついている、対戦ものの機械。

藍色の髪の少年は、それの傍らに立つと、強気に笑みながら赤髪の少年を見つめた。

「…負けた方が、アレのどれかを着るってのはどうだ?」

藍色の髪の少年が指を指す方向に視線を向ければ、ピシリと石のように赤髪の少年が固まった。
どう見てもそれは、男であり且つ可愛らしい見た目でもない自分らが、似合うはずのないもので。

負けたら着なくては、ならない。
逆に、こちらが勝ったら藍色の髪の少年に、恥をかかすことができる。
いや、恥をかかせたいというより、勝負事に弱気になって逃げるなんざしたくねェ。
それに、…俺自身があんなの着たくねェし。

赤髪の少年は、負けじと形の良い唇を吊り上げて、強気に笑んだ。

「上等、吠え面かかせてやんよ」


某ゲームのように、相手を陥れるものや、自分が有利になるアイテムが存在しない、カーレース。
正真正銘、実力だけで闘うしかないゲームだからこそ、楽しい。

二台だけだと流石に味気がない為、CPUを交えてのレースにした。
勿論、CPUに負けることはまずないが、邪魔者という障害があってこその、ゲーム。

少年らは、端から見たら真剣そのもの表情で、レースに挑んでいた。
しかし、時折互いを挑発する声が発せられる。

「後一周だぜ?追い抜けるか?」

ファイナル・トラックに差し掛かり、優勢を保っている赤髪の少年が、口角をあげて笑った。

飛鳥は低く舌打ちをするも、すぐに口角をあげて、小さく笑う。

「たりめーだ。俺の勝負強さはテメェが一番知ってンだろ?」

それに対し、低く笑った赤髪の少年が強くアクセルを踏む。

やがて、二台がゴールテープに向かい、僅差である一台がテープを切ったのだった。


「俺の勝ち、だな」

俯く少年を、ククと低く笑いながら見下ろす少年は意気揚々に、コスプレ用の服がズラリと並んでいるプリクラの機械へと向かう。

対して俯く少年は、これから襲うだろう羞恥に耳を微か赤らめ、悔しげに唇を噛みながら、意気揚々とする少年を睨んだ。

「ンな顔すんな。男に二言はねェだろ?―夕舞」

夕舞と呼ばれた赤髪の少年は、ビクリと肩を跳ねさせるも、虚勢を張って言い返す。

「たりめーだ!」

「ならいいだろ、…着いたぞ。これとかどうだ?」

コスプレ服の並ぶ場に着き、藍色の髪の少年は愉しげに笑みながら、一番露出が多そうな短いゴスロリを手に取る。

カッ、と耳を真っ赤にしながら夕舞は藍色の髪を、掌で叩いた。

「死ね!誰が着るかンなの!」

「たく、…ならしょうがねーなあ…優しい俺様だから、これにしてやるよ」

やれやれとわざとらしく息を吐き、横暴に言い放つ親友…いな悪友に、夕舞は怒りにプルプルと震える。

そして、そんな夕舞を他所に淡い桃色の服を手に取った少年は、空いている片方の手で、長い白い衣装を手にした。

「っな…!こんなん、どこのイメクラ!」

「いいだろ、わんこにも見してねーんだし。…まあ、オマエがボロ出して見せちまう可能性は、大いにあるだろうが」

暗に、オマエは爪が甘いと言われ夕舞は悔しげに、少年を睨む。
決してこれから撮るプリクラを恋人には見せない。
固く誓った夕舞は、淡い桃色の服を引ったくり、カウンターにいる店員に衣装代を払い、ブースへと入った。

それに続き、藍色の髪の少年もブースへと続いた。


「っ飛鳥…これ短すぎンだろ…」

着替え、プリクラ機のブースに入ったのはいいものの、いざとなると羞恥が襲う。
推定膝上10p程までしかない丈のスカートに、ご丁寧に乗せられた帽子。
派手な柄というわけではない辺りが、余計に羞恥を味わわせる。

「似合うぜ?…夕舞」

そんな夕舞に対し、眼鏡という名のオプションと聴診器を首から提げ、長い白衣を纏う藍色の髪の少年―飛鳥は、妖しげに笑った。

勝負に勝った飛鳥は、白衣を身に纏う医者。
そんな飛鳥に対し、負けた夕舞は淡い桃色の服を纏うナースだ。

「誰が嬉しいかバカ…っ、どこ触ってンだ!」

「先生に対してその言葉遣いはなんだ?…診断してやるから大人しくしてろ」

そういうオマエは先生にしては、なんて横暴ぶりだ!

夕舞は羞恥と悔しさに軽く睨みながら、太股を服越しから擦る悪友の手をつねる。

「ジョーダンだ」

クスクスと笑いながら離れ、金をプリクラ機に挿入する飛鳥を睨みつつ、夕舞は続いて金を投入する。

「これ、アイツら見たら嫉妬すっかな。…寧ろ徹なら萌えがなんだの言って萌えてそうだが」

「……慎一はするかもな」

意気揚々と、フレームやら画質やらを選ぶ悪友の問いに、夕舞は小さく息を吐いた。


イタズラやらちょっとしたセクハラをしてくる飛鳥を叩きつつ、何とか地獄の羞恥タイムを乗り越えた夕舞は、印刷されたプリクラに絶句した。

「っ、なんでそんなに露出とか、直接的に危ないことしてねーのに、こんなにやらしくなんだよ!」

「さあな俺の色気のせいじゃね?」

絶対オマエそう思ってないだろ。
あっけらかんと首を捻る飛鳥を睨み、夕舞は小さく息を吐いた。

撫でているのは太股やら腰やら、際どいと言えば際どいが、直接的にマズイ所ではないのに。

それにしても、…男子高生のノリは恐ろしい。

プリクラを、用意されているハサミで切りつつ、飛鳥をチラリと見た。

「これ、徹に着せてもよさそうだな。徹がナースで俺が医者。ンで聴診器当てたり注射をあそこにいれ「黙れ変態!」」

ニヤニヤと愉しげに笑みながら何やら怪しいことを言う悪友、いや変態に夕舞は真っ赤にしながら蹴りを咬ました。

「…まあ…慎一がナースで俺が医者だとしても悪くねーな…、…今度慎一に着せるか、」

軽く息を吐くも、わんこのように可愛らしい恋人のナース姿を思い浮かべ、小さく笑む。

騒がしい店内の中、強気美人二人に声をかけようとした男性らだが、二人の様子に諦めた様子で去るのだった。


――

慎一さんも徹さんもナース似合いそうヽ(≧▽≦)/←
医者になった飛鳥と夕舞がそんな二人を…腐腐腐←

2013/10/05(Sat) 12:26

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