キャラなう。

キャラの気持ちを聞いてみる?
それともなんでも(!?)探偵団のレポートを見る?
◆Strawberry Lip 

※やたらキスシーンを濃厚に書いてます
※腹黒書記×真面目チャラ男会計

※結構この二人を書いているから、いっそ纏めてupとかしたい今日この頃←

―3月14日、それは世の中の男が貰えるか貰えないかと胸を踊らせるバレンタインデーの、対となるホワイトデーという日。

何故バレンタインデーがブラックデーとは言わないのに、対となる日がホワイトデーと呼ばれているかなんて、知らない。

バレンタインデーに勇気を振り絞って、告白と共にチョコレートやらプレゼントを、相手に渡した人だっているだろう。

友人同士、または社交辞令と言った義理チョコというものをあげた人だって、いる。
かくいう俺もその一人で、友人というかまあ日頃、仲間?としているからと、生徒会のメンバーに用意をした。
ま、…勿論特殊な薬を入れたお菓子だけどね!
日頃からの行いを知ってるくせに、それを照れ臭そうに受け取りながら、食べてしまった会長と愛しい愛しいとある赤い人は、本当にバカだと思う。

残念ながら、一番引っ掛かってほしかった人達に限って、食してくれなかったのだが。
けど、愛しい赤い人が猫耳ではなく、敢えてのウサ耳と尻尾を生やした姿を見れたから、いいとする。
…わんこ君に、怒られそうだなあ。実はまだ内緒にしてるんだよなあ、…赤い彼が自らの失態を暴露するわけがないし、まだわんこ君には知られていないはず。
素直すぎるわんこ君の怒った姿を想像すれば、小さく笑みを溢した。

そんな楽しい楽しいバレンタインデーから、ちょうど1ヶ月が経った今日。

―俺は、可愛い顔をした悪魔に捕まった。


「っ、ふ、んん…ん…っ、んぅ、」

格調高い雰囲気を持ち合わせるだだっ広い生徒会室にはそぐわない、濡れた水音と小さな喘ぎが響き渡る。
鼻から抜ける甘い声が、自分のモノだなんて、信じたくない。

コロ、と軽快な可愛らしい音を立てながら、舌先をなぞる甘い赤が互いの舌で、蕩ける。
沸き立つ甘い甘い苺の香りと、密着したことによって入り込む、目の前の彼の匂いが、頭の芯をクラクラさせた。

いつの間にか、大きかった甘い赤は、すっかり小さくなってしまっていて。
苺のように赤く色づき、甘くなった唇と舌先が、雄弁に時間の経過を告げる。

唇が離れると、名残惜しそうに光に照らされた銀の糸が、二人を繋ぎ、プツリと切れる。
すっかり痺れてしまった脳髄に、その光景は衝撃的だったらしく、一気に己を呼び覚ました。

「っ、何でこんなことして…欲求不満なのかい?」

何とかいつものおどけた調子を装いつつ、緩く首を傾げて問う。
内心は疑問と混乱ばかりではあるが、余裕がなさそうだと思われるのは癪だ。

しかし、その問いに答えることなく、再び腰を強く腕で抱かれ、甘い甘い唇で、混ざりあった唾液に濡れた己の唇を塞がれた。

またも沸き立つ、甘い甘い苺の香り、そして彼の、匂い。
ちゅく、とわざとらしく濡れる水音は知れずと官能を刺激するらしく、背筋にぞわぞわと甘い痺れを伝わせる。

―キモチイイ、

悔しいけれど、上手いキスに身体が素直に反応してしまう。
欲求不満は寧ろ、己じゃないのか?…あれ程、右手で自らを毎夜毎夜慰めていると言うのに。

互いを行き来する甘い赤は、ゆっくりと、しかし着実に変化を遂げ、小さくなっていく。
まるで、…今の自分達の関係のようだ。
以前はただの生徒会の会計と書記という仲だったのに、彼が己に口付けをした日から、この関係はゆっくりと、しかし着実に変化を遂げた。

親密になった、とかそういうプラスの変化ではない。
自分でも、どうしてこのような関係になってしまったのかが、わからない。
もっと拒絶すればいいのだ、気持ち悪いと、所詮オマエもあの人のように、身体だけが目的なのだと蔑み、糾弾すればいい。

それなのに、何故か、―出来ない。触れられるのは、未だに怖い。
この甘い口付けだって、強引だった。
声をかけられ、振り返れば突然顎を掴まれ、甘い赤と赤い舌先を口内に忍ばせて。
驚愕に固まる俺を他所に、手首を強く握って、にじりにじりと壁に追いやり、拘束した手首を真上にあげさせて。

暫くの口付けが終われば、拘束はなくなったものの、腰を強く抱き寄せられ、再び唇を塞がれる。

そして、漸く先程口を開けたのだ。何故、と。
好きだから、ともし告げられたのなら。
…俺は、どう思うのだろう。
俺は、赤い彼が好きだ、それは余程何かが起きない限り、絶対に変わらないと思う。
今口付けている彼を認めたくないとか、そんなんじゃない。

―きっと、失恋して無意識にたくさんついた傷に、妙な甘さが染み込んでいるから、彼を拒みきれないのだと、逃げを打って。

認めたくないんじゃなくて、もし想いが真実なら、あやふやなままにしたくない。
もし、ちゃんと彼が好きだと心から思えたら。
だけど、今はまだ、完全には思えない。
いつかがくるだなんて、わからないけれど。

「ん、んっ、ふ…!ぁっ、ん…ゃ」

上顎を舌先でなぞられれば、自分のモノとは思いたくない、甘い声が漏れる。
途端に羞恥を感じ、首を左右に振りながら目をそらせば、指先でワイシャツ越しに胸の頂をなぞられた。

久々の刺激にピリッ、と甘い痺れが走り、赤い唇をガリッと噛んで唇を離す。
は、と甘く荒い吐息を出しながら、微かにぼやけた視界に映る彼を睨めば、血の滲む赤い赤い苺の唇を舌先でなぞり、妖艶に笑った。

しかし、静かな怒りを含んだ剣呑な光を宿す瞳と、ユラユラ揺れる見えないオーラに、微か身体が震える。

―喰われる。

そうとさえ、思った。

「…いつまでたっても、なつかないですね。爪を立てた猫みたい…けど、今の貴方。嫌いじゃないですよ?」

凄く、やらしいから。

そう喉奥で笑われ、羞恥と柄にもない焦りに戸惑いつつ、己の姿を壁に貼り付けてある近場にあった鏡で見てしまえば、更に羞恥に視界が赤らんだ。

自分では認めたくない、激しく認めたくないが、快楽に染まった顔、赤らむ頬と唇、微か潤んだ蕩けた翡翠の瞳、乱れた長い銀の髪。

こんなの、誘ってるみたいじゃんか―…。

口内に残った小さな甘い赤をガリッ、と噛み砕けば、ねぇと甘い声で呼び掛けながら、可愛い顔をした悪魔は、甘く赤い苺の唇から小さな舌を覗かせて、妖しく笑った。

「甘い甘い僕の苺ミルク、たくさん食べさせて…飲ませて、あげますよ…?ねぇ、だからいい加減」

僕に、堕ちなよ。

妖艶に、且つ自信満々に言い放つ可愛い顔をした悪魔に、俺は一つおどけてみせた。

だって、俺は君を好きだと心から思えていないから。
寧ろ、好きだと微塵にも思ってるかわからない。
俺の心は、…まだ、赤い彼のモノだから。
来るかすらわからないけれど、いつか君が欲しくなったなら。

―その苺の唇に、愛を重ねてあげる。

決して甘いとは言えない、歪んだ関係の中、口内に溶ける赤だけが仄かに甘さを、感じさせていた。

――

なりきりで恋人さんが出来るまでと、本編で付き合うくらいまでの二人の関係は、こんな低甘なのかなと。
かといって、身体を全部は差し出さないし、差し出せないのが筧。
自分なりの何かと、トラウマもあるから…かな?わからん←

恋人が出来たら、筧は絶対に他には靡きません、夕舞にスキンシップは軽くあっても、今みたいに自慰とかはしなくなるかなあとか。
(なりきり、本編共に)

最近、描写をねちっこく書くのが好き。

こんなに出てるのに、実は未だ書記の名前は決まってません←

2014/03/16(Sun) 05:37  コメント(0)

◆ソルティ・ドロップ 

※若干シリアス
※五十嵐+筧

遠くから聞こえる喧騒に混じる、ゆったりとしたジャズが耳を擽る。
カラン、と汗を掻いたグラスを軽く揺らせば、淡いレモン色の液体が小さく音を立てて揺れた。
悠然とした動作でグラスに口づければ、苦味が売りのフルーツの爽やかさと、縁を飾る塩のしょっぱさが口内で溶け合う。

うん、美味しい。
形の良い薄い唇を小さく吊り上げ、しょっぱい縁から溢れた言葉に、隣に座る黒髪の男は小さく笑みを溢した。

店内を妖しく彩る、淡い光に照らされる黒髪は艶やかさを際立たせる。
それに加え、元々の精悍な美貌に切れ長の黒曜石の瞳、そしてゴツゴツとした男らしい指を飾る銀の指輪に、凛と澄んだ低い声。
あぁ、そこらの女の子が彼の隣にいたら卒倒するんだろうなあ、なんて。

己が嚥下する液体よりも、度数の高いものが注がれているグラスを煽る姿を目にしつつ、ぼんやりと思っていれば「で?」と優しいながらも、何処か強いれているような言葉が投げ掛けられた。

「…らしくねぇじゃねぇか、オマエがこんなとこで一人飲んでるなんてよ」

いつもあのバカか他の奴とだろ?と呆れたように言いながらも、頬を緩ませる姿に自然と自分の頬も緩んでしまう。

確かにここのお酒は美味しくて大好きだし、来店する…いな「居座っている」理由の中にそれが含まれている。
しかし、本音を言えば愛しくて仕方がない赤い彼や、そんな赤い彼の友人である藍色の彼、今共に飲んでる黒い彼や、他の仲間といるのが楽しいからだ。

しかし今日は、違う。
珍しく、久々に、一人で飲んでいたのだ。
決まってそれをする時は、俺自身が何かに気を紛らわしたい時。
…ま、滅多にないけど、ね。

普段ぶっきらぼうで横暴な黒い彼は、意外に優しい。
能ある鷹は爪を隠すではないけれど、心に秘めた優しさは他人が本当に傷ついている時にしか見せない。
だからこそ、そんな黒い彼の優しさにちゃんと気づけた彼の恋人は、黒い彼とお似合いだと思う。

時たまに黒い彼が溢す恋人への想いは、聞いているこっちが呆れてしまう程、いや微笑まし過ぎて笑みが溢れる程、甘い。
そう、…このしょっぱいのとは正反対な、くらいに。

グッ、と無意識にグラスを握る力が強くなる。
分かってる、彼は強制はしていない。
話を切り出すきっかけを与えてくれてるんだ。
…俺が素直じゃないことを、聡い彼は気づいているから。

だから、普段より弱い度数でしかもゆったり話せるように、ロングドリンクを頼んでるでしょう?
…普段は火が着きそうなくらいに度数が高いものとかを、頼むくせに。

ホント、…君を好きな女の子とかだったら不器用に優しすぎて、逆に傷つくからね?

良かった、これをしてくれてるのが赤い彼じゃなくて。
赤い彼にこんなことされたら、わざと酔った勢いで何かをしてしまいそうだから。
…そんなこと、するつもりはないけれど。

けれど、それをしてしまうかもと思ってしまうくらい、…今の俺には自制心が足りない。

「……最近さ、色々起きすぎてるんだ」

酔っぱらいの世迷い言だと思って聞いて?と冗談めかしに笑えば、黒い彼は目を瞬かせるも小さく笑って頷いた。

そう、俺が自ら身の上話をするだなんて、今夜昇る月があまりにも赤いから、なんてさ。

自分自身、閉ざしていた箱をほんの少しだけ開き、ポツリポツリと小さく溢した。


―騒がしかった店内も少し落ち着きを迎え、グラスの八分目に注がれた互いの液体が、六分目くらいになった頃。

相槌を軽く打ちながらほぼ口を閉ざして聞いていた彼は、少し薄まったオレンジベースの橙色の液体を嚥下し、コツリとグラスを置いた。
黒い彼に橙色の液体の組み合わせは、彼の飲む酒の名を思わせる。
実際、彼は肉食だし。

ティフィン・タイガーに濡れた唇を一舐めすれば、何故か頭をガシガシと撫でられた。

「今のオマエ、マジでその酒みてェだな」

クツクツと笑いながら指で指された先を見れば、しょっぱさとフルーティさを混ぜ合わせた、淡いレモン色の液体。

え、今君が飲んでるやつが君に似てるんじゃなくて?と首を傾げれば、短くなったタバコの吸殻を灰皿に押し付ける。

「知ってっか?オマエが飲んでるそれの由来。…イギリスのスラングで、甲板員が甲板の上で汗だらけつか、塩だらけになって働く様子から来ているらしいぜ?度数も低いしな」

…あぁ、それだけで言ってる意味が分かってしまった。
捉え方を間違えれば、いや実際に少しはバカにというか皮肉にしてるんだろうけど。

どれだけ犬のように一途に君だけを愛して、頑張っても。
この想いは一向に叶わなくて、けれど君が愛しくて仕方なくて。
君が愛しいから優しく出来ている反面、愛しいから君を奪えきれなくて、こんなにも、…弱い。

「…っ」

「だが、ンな犬みてェなオマエを少なくとも夕舞は嫌ってねェだろ。オマエが言う「あの子」の想ェはオマエの気持ち次第だし。…もう「嫌いなあの人」は、暫く会ってねェんだろ?」

ぼやける視界に、熱くなる目頭。
…堰を切ったかのように溢れる雫は、止まらない。

自分がわからない、人が怖い。

今までヘラヘラしていた自分がブレてしまったのだ。
あの子が俺に口づけてから、あの人との悪夢(過去)をまた見るようになってから。
演じてるつもりだった、大丈夫だって、…自分が崩れるわけがないって、ヘラヘラしてる自分は最初は演じていたものの、板に付きすぎて切って切り離せないホントの自分になっていたからだ。

けれど、…時折聞こえる足音と触れられる指先に、怯える自分がいる。
忘れられるわけがない過去、決して俺以外の人には永久に話すことのない、ドロドロとした禍々しい黒いもの。

結局、黒い彼にも掻い摘まんでしか話せてはいない。
単に嫌いな人との昔のことを思い出してーとか、何かチューされちゃってさービックリ!とか、相変わらず夕舞が好きすぎて辛い!とか。
そんないつも通りの突飛なテンションの話し方。
こうでもしないと、少しも自分を曝け出せない。
あぁ俺が、…本当に誰かを心から信じれる日は来るの、かな。
いや、夕舞も信じてるけどね!

愛されたいとは思わない。
夕舞を諦めたいとも、思わない。だって、夕舞を好きだと思う気持ちは本当で、温かくて、大好きだから。
だから、…恋人同士の愛し合いに触れる度に、自分も誰かに愛されたらなあなんて、淋しくなるのは単なる気まぐれだと思わせて。

顔だけで、上っ面だけで近付いてきた女の子とかは嫌いじゃないけど、本気にはなれないし本気になられたら困る。

身体だけを、というのは一種の交遊の仕方だから否定はしないけど、あまり興味ないし自分はしたいとは思わない。

ましてや、好きでもないくせして肉体的な意味だけでの、無理矢理なんて嫌いだ。
だから、…「あの人」は嫌いだ。
ここを知られたら、と思うとゾッとする。

あ の 人 が。

権力を振りかざして夕舞を傷つけたら?
自分を拾ってくれたマスターを傷つけたら?
夕舞の友人や、憎むべきはずなのに俺自身愛でたいと思ってしまう夕舞の恋人、そして今頭を撫でている黒い彼を傷つけたら?

…許せない、違う。
そんなことは死んでもさせない。
だからといって身を滅ぼす気はない、あくまで最終手段。
なんだかんだ言って、俺は今の自分が、ここが、大好きだからね。

あぁもう、恥ずかしいなあ。
明日、絶対バカにされる。
しょっぱい雫を溢した瞳で見つめるも、クスクスと笑えば「やっといつもみたいにバカみたく笑ったな」と優しく笑まれた。

「ま、ンな犬みてェなオマエ、俺も嫌いじゃねーけど?」

だからンな酒みてェに情けなく泣くな!と何故か怒られるも、照れ隠しからか赤く染まった耳に小さく笑ってしまう。

叶わない恋でもいい。
犬みたく君を一途に愛している時が、俺にとっての恋愛であたたかい一時だから。
また明日にでもなったら、いや今からでも赤い彼に会って、愛を囁きたいな!
上機嫌ながらも冗談混じりに告げれば、「オマエ以上の犬が知ったら噛みつくぞ?」と笑われた。

いいもん、そしたら二人とも纏めてからかって、愛でて、俺に付き合わせるから!

恋人がいる彼らに当てられて少し、愛されたいだなんてそういう恋愛してみたいだなんて、甘い感情を抱いたのは、赤い月と俺だけの秘密。

守りたい、今を。
この楽しい一時を。

窓から覗く赤い月に、しょっぱい雫の痕を覗かせるソルティ・ドッグは、愛しげに微笑んだ。


――
五十嵐のポジションを夕舞にしようか悩んだけど、敢えて五十嵐で。
夕舞相手には掻い摘まんでも言わないかな…セクハラで誤魔化しちゃいそう←

お酒、ソルティ・ドッグとティフィン・タイガーは実際のお酒名。
ソルティ・ドッグの由来も。
(筧に当て嵌めたのは勿論、自分なりの解釈。五十嵐が告げたのが本当)

久々に(途中までは!←)自分なりに丁寧に書いた気がする←

筧が泣くなんてもうないだろうな、早々(笑)
そして最近五十嵐が大人←

2014/03/03(Mon) 04:10  コメント(0)

◆にゃんにゃん…パニック!? 

※例の腹黒書記×筧亮一
※まさかの筧が?
※軽いエロ注意





















今までの夕舞へのセクハラやら悪戯やらが、回り回って自分に来たとしか、思えない。
よりによってなんで、なんで、―この薬が入ったお菓子を間違えて食べてしまったんだろう。
それも、柄にもなく自分が動揺していた、せい。
違う、―夕舞と俺の愛の触れあいを邪魔した、あの子のせいだ!

は、と短く熱い息を吐きながら、片手は口元に、もう片手は芯を持った熱いモノを緩く扱く。
悔しいことに、素直な銀の毛並みをもつ尻尾と耳はパタパタと揺れ、催淫作用からか、すぐに先走りがトロリと溢れた。

間違っても誰も来ないようにと鍵を締め切ったこの部屋は、普段は澄み切っているものの、今だけは澱んだ空気を漂わせている。

快楽に霞む翡翠の端で捉えたデジタル時計の日付に、筧は悔しげに唇を噛み締めた。
本当は、大好きで仕方がない赤い彼に、今己を辱しめている薬が入ったお菓子を食べさせ、快楽に染まった彼を食べようとしていたのに。
そう、猫の日に猫になった可愛い彼を食べようと企んでいたというのに、だ!

昇降口だということも気にせず、赤い彼に抱きついていた俺の前に、甘いマスクを被りながらも冷たい瞳を持っている彼が、現れた。
いつの日かは思い出したくないが、赤い彼ではなくまさかの自分に口づけをしてきた、彼。

後輩であり、生徒会の書記である彼は夕舞に抱きつく俺を見ては、冷たく笑いながら俺の頭に指先を伸ばす。
ビクリ、とほんの小さく肩を跳ねさせてしまいつつも、いつもの甘い笑みを浮かべながら、さりげなく伸ばされた手を払いのけた俺に、彼は楽しげに笑う。

…おそらく、俺の反応を探ろうとしていたからだろう。
それにより、微かに動揺してしまった俺は、いつもの自分では有り得ない失態を犯した。
そう、…この時は気づかなかったが、赤い彼には薬入りのお菓子を…いや、普通のお菓子をあげてしまったのだ。
そして、後で3時のおやつとして食べようと持っていた普通のお菓子…いや、薬入りのお菓子を俺が食べてしまったのだ。

気づいた理由は、急速に熱を持った身体。
遅効性なそれは、生徒会での執務前から蝕んだ。
確か会長と副会長は休み、他のものは仕事がない、そのため仕事が課せられていたのは自分だけだった。
いや、会長と副会長の仕事はあるけど、俺がする必要はないし。
…期限が迫ってたらやってあげたけどね。

だから安心していたんだ、鍵を締めておき、薬の効果がなくなったら何事もなかったように帰ればいい。
熱を持ち、己から生えた尻尾と耳を振りながら、―可愛い赤い彼を想像して、ヌきはじめたんだ。

「っ…んに…」

どんな感覚なのだろうと、好奇心から触れた尻尾からは、小さな電流のような快感が走る。
脳内では赤い彼が組み敷かれて喘いでいて、そんな彼を見下ろす自分が彼のナカを突き上げて―。

そろそろイきそうだな、って快楽にぼんやりと霞がかかった脳内の片隅で思った、瞬間。

カチ、と。
錠の落ちる音がし、セピア色の扉が開かれた。

驚愕に見開かれた、互いの目がぶつかりあう。
そして襲うのは、堪らない、―羞恥。

「っ、っ…!な、…何か用かな?」

大丈夫、あの角度からこの机の下は見えない。
けれど、当たり前だが尻尾と耳は隠せないわけで。
それも、…大変正直な尻尾は。

「ねぇ、なんで尻尾耳生えてるんです?」

そういう趣味、とか?

一見可愛い顔を持ちながらも、薄く唇を吊り上げながら近寄る彼は、驚きと警戒心からかピン!と立った俺の尻尾に指を伸ばす。

「っ…!」

またもビクリ、と震える肩を見ては逃がさないとばかりに、楽しげに笑われる。

触らないで、触らないで…!

走馬灯のように走る忌々しい記憶を唇を噛むことで堪えては、何とか偽りの笑顔を作って笑って見せた。

そうだ、なら自分から触れればいい。

そしたら、怖くなんて、…ないから。

小さな掌を掴み、極上の笑みを浮かべれば話題をそらすように、自ら告げる。

「何?生徒会室に忘れ物でもしたかい?」

「…それ、正直ですよ?…ねぇ」

…やめて、それは言わないで。

けれどその願いは叶わない。
だって、…鈍い銀の尻尾はこんなにも正直だ。

「怖いんでしょう?違いますか?…「触れる」のがではなく「触れられる」のが、」

…気づかれてしまった。
気づくのは、今頃どっかで幸せそうに恋人を想う赤い彼だけだと、生涯思っていたのに。

けれど、まだ俺は君を認めない。だから見せる、生徒会会計で赤い彼が大好きな「ただの筧亮一」を。
本当の自分は、見せれない。
過去に怯える「もう一人の筧亮一」は。

「何のことかにゃ?」

だからとぼけてみせる。
…その時に見た、彼のあの顔は多分、一生忘れられないだろう。

「ん、んん…!」

そう、―あの冷めた目に熱を宿し、苦しげに眉根を寄せながら、可愛らしい顔に雄の表情を浮かべてる、顔なんて―。

熱といきなりの息苦しさと、絡まった指先に震える尻尾が、力なく揺れた。

2014/02/22(Sat) 01:56  コメント(0)

◆グルグルあすにゃん 

―何をどう間違えたんだろうと、思う。

先日恋人に会った時。
俺はいい加減タチになりたかった為、卑怯だとは分かっていても、媚薬をアイツに使った。
自分はタチになれるし、アイツも気持ちよくなれるから一石二鳥だと思った筈なのに、…結果的に俺がネコで、しかもとてつもなく濃いプレイをすることとなった。

今でもあのプレイを思い出す度に顔から火が…っぁああもう、絶対ェあんなんやんねェ!!

汗をかいたグラスに並々と入る、飴色の液体を飲み干せば、喉が焼けそうな程に、口内と身体が熱くなった。
抱かれて気持ちいい、もっとしてほしい、幸せだと感じた自分に腹が立つ。
俺は、タチになりたい筈、なのに―。

「飛鳥、あんま煽ンなよ?ピッチ、早すぎると酔い回ンぞ」

「るせェ五十嵐!…オマエはいいよなー…その、…タチなんだろ?」

鼻で笑われたのが癪で、声をかけてきた男を睨みつければ、クツクツと笑われた。

無駄にイケメンな男は、黒髪を掻きあげると、俺のよか強い酒を簡単といった様子で煽り、俺を見遣る。

「何がおかしい!」

「オマエ、自分で気づいてねーのか?…抱かれて嬉しいって女みてーな顔、してンぞ」

……してない、してない、そんな、顔!
カッ、と熱くなる顔をそのままに睨みつければ、ぽふと頭を撫でられた。
ンだよ、と睨むもクスクスと楽しげに笑われ、口を噤んでしまう。

「…ネコでも善くしてやれンだろ?「アイツ」とかそうだし。冗談で抱きたいならいいと思うが、ンなに悩むならタチなんざしねーほうがいい。まあ、…好きな奴を善くしてやりてェ気持ちはわかるが」

アイツ、と言った瞬間の五十嵐の顔が、いかにアイツを愛しく思っているのかを物語っていて。
あぁ、あの五十嵐にこんな顔をさせられるアイツという人物は、どんだけすげー奴なんだろ。

五十嵐の言葉はムカつくけど、すげー沁みて。
……痛い所を、突かれた。

カラン、と氷の入ったグラスに入る冷水を煽り「サンキュ」と小さく告げた。
…アイツにはネコがいいだなんて告げないけれど、…たまにタチになって、アイツを善くしてやれたらいい、だなんて。
―俺も、バカなのかもしれない。

五十嵐はフン、と鼻を鳴らすと手を離して、ダーツの方へと消えていった。

遠くで聞こえる、相変わらずの夕舞と筧のいたちごっこな言い合いにクスクスと笑いながら、近寄った。

―次会った時は、ちゃんと善くしてやりたい。

口では言わねェけど、―愛してる、から――。


「あー飛鳥、あれ媚薬じゃなくて精力剤だからー」

「っな!?オマエ、あれで俺がどんだけ辛かったと…!」

「だって飛鳥、…口では言ってないけどさ、ホントにはタチ、シたいと思えないからって薬頼るんだもん…ちゃんと思えるようになったらあげるから」

「……筧、俺に貸せ」

「っ!夕舞…!!?だ、ダメ!夕舞がタチなんて、しかもワンコくん相手にタチなんて俺が許さない!」

「オイ、飛鳥に言ってることと違ェだろうが」

「夕舞、オマエこの間酔いながら、恋人に抱かれて嬉しかったって話してただ「飛鳥!!」」

「(この2匹のにゃんこが、タチなんて有り得ない…)」

藍色のにゃんこと赤色のにゃんこが言い合う中、銀色の狐は小さく嘆息した。

2013/12/19(Thu) 17:26  コメント(0)

◆◆うちの子でよその子を紹介するバトン〜デレが爆発ノ巻き〜 

我が子でよその子紹介をするバトン。
【】部分には当てはまるキャラのお名前を入れてください。

紹介されるよその子
【徹さん】
紹介する我が子
【飛鳥】

※飛鳥は徹さんに聞かれてないと思っている為、比較的素直な感想が聞けるかと←

・紹介するよその子のお名前は?
加藤徹だ


・その方の性別は?

男子は男子でも上に「腐」がつく男子だな←

・誕生日を知っていますか?

…4月7日

・その方の一人称は?

俺だな。

・【我が子】から見た【よその子】の性格は?

…まあ見ての通り変態でチャラ男でどうしようもねェ奴。だが、…案外真面目で一途だから、……モテるだろうぜ?
(だから不安、とか言ってやんねー)

・好きなもの、嫌いなものは何だと思いますか?

好きなもの…BLじゃね?
嫌いなの…なんだ?同族嫌悪っていうように、同じチャラ男みたいな奴じゃねェか?多分←

・初対面時の第一印象は?

チャラ男。誰彼構わず喰いそうな奴

・知り合ってからの第二印象は?
…案外真面目?とかだな

・見た目から受ける印象は?

何度も言うがチャラ男。ホストとか似合いそうだな。頭の回転速い上に気遣いもできるし。言葉も巧みだからな…
(だから余計に不安、だなんて絶対ェ言ってやんねー)

・どんな服を着てほしい?

そりゃあオマエ、ナースだろ。女装だろ、普通の着せたら反応つまんねーだろ←

・SかM、どちらだと思いますか?

Mだろ←
俺が素っ気なく言うのにニヤニヤしてるし。

・【よその子】は【我が子】をどう思ってると思いますか?

…す、…好きとかそんなんじゃねェの?(赤らめながらプイッ)

・【よその子】の好きなところを三つあげてください。

…聞いてねーからいいや。
案外一途で真面目なとこ、優しいとこ、…可愛いとこ

・ぶっちゃけ【よその子】のここがイヤ!

いい加減タチは俺だと認めろ!←
・【よその子】のこと、好きですか?

…好きだ。文句あっか(耳を赤らめ、俯き)


以上です。お疲れさまでした。
よその子に紹介されたい我が子を指定して回してみましょう。

ここからは月菜が言うよ!
翔太とか香夜とか…誰でも嬉しいな(*´ω`)
紹介してくれるよその子は、誰でもいいよ!

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エムブロ!バトン倉庫
http://mblg.tv/btn/view?id=54481
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2013/12/08(Sun) 11:36  コメント(0)

◆葉月 

―ダメだ、うまく、笑えてない。

学生にとっても職員にとっても天国な昼休みになり、昼食を風見先生と食べ終えた後、入ったトイレの洗面台でため息を吐いた。

掌に掬った水をぴしゃりと顔にかけ、濡れた顔をタオルで拭う。
いつもと同じの顔なのに、なんだか今日はひどく違って、見える。
あぁ、目の前の汚れた鏡は今の俺の心を映してるのかも、しれない。

理由なんて、明確だ。
そう、…失恋、したから。

じわりと目頭が熱くなり、女々しい自分を叱咤するように、首を左右に強く振る。

分かってはいた。

恋愛ってもの自体を、知らないんだろうと。
特別というその枠以上のものはきっと彼にはなくて、恋愛っていう枠が存在しない。
きっと、少なくとも友達よりは上なはずで。
けれど、…俺と彼の「好き」は、違う。

何も彼は悪くない、寧ろ困らせてしまったのは、紛れもなく俺だ。

戸惑っただろう、恋愛を知らないのにいきなり、友達くらいに思っていた人物、それも同性から告白されたのだから。
それなのに、…止まらない想いを、告げてしまった。
焦りすぎてたとも、思う。
だけど、どうせ叶わないなら、…先に「終わり」を迎えたかった。

…振り回して、しまった。

俺は、大人で男なのに、彼は自分の生徒ではないけれど、それでも青少年を導く教師なのに。
自分の都合だけで振り回して、しまった。

―最低だ。

それでも、そんな俺に彼は困ったように笑いながら、考えると言ってくれた。

優しさと申し訳なさに、心が、痛む。

考えさせる時点で、申し訳ない。そのうえ、…答えなんて、わかってる。
そう諦めてしまう自分と、迷惑をかけたくない自分がいる。
だから、…告げたんだ。

忘れて、と。

俺の存在をではなくて、告白そのものを。
自分勝手だとは、分かってる。
けれど、…これが俺に出来る精一杯の償いだ。

あぁ、ホントに、好きだ。
今更になって、思う。

今まで異性だが付き合ったこととか、それなりに好きで仲良くてという人はいた。
けれど、…こんなに恋焦がれて見境なくなるくらい、好きになるなんて、なくて。

―初恋、だったんだ。

「初恋が叶わないって、ホントだな…」

その迷信は、初恋というものが大体幼いもので、恋をした相手も恋を知らないくらいに幼いからだろうと、誰かから聞いたけれど。

大人になっても、どうやらそれは変わらない、ようだ。

納得したかは分からないが、とにかく彼には忘れるよう、伝えられた。
理由もちゃんと、…本来の意図は伝わらないようにだが、告げられた。
だから、もしまたあっても今までみたいに、笑える。

触れられた熱はまた暫く燻り冷めないだろうけど、…彼からしては熱の意味なんて何も、ないから。

だから大丈夫だ。
俺は大人だ、このくらい、―この、くらい…

「…誰もいないから、いっか…っ」

許して、ほしい。
彼の前でも、他の人の前でも弱い姿なんて見せないから。
せめて誰もいない、今だけは。

「すき、…好き、…夕輝…っ」

―溢れ出す熱いものを塞き止めないことを、許して、ください。

ちゃんと、笑うから。
何もなかったように、ちゃんとするから、だから、今だけは―。


燻りだす身体が、止められない。
心では分かってる、諦めたはずなのに。
なんて醜いのだろう、身体は、…触れたい熱を求めて、しまって。
初めて、夜の新宿三丁目を、歩いた。
そういう界隈とはいえ、こんなゴツい上に若くもない俺が、何をするという話なのだが。
…気持ちだけでも、人混みに呑まれたかった。
熱を解放したい、けれど、怖い。
なまじ、男気があるはずの俺でも同性を好きになったことも、同性と肌を重ねたことも一度たりともないものだから、どうしたらいいか分からない。

いっそ壊れたら楽になれるのか。
いいや、道徳を踏み外す方が苦しいのか。
何も分からない。

―身体中を、熱が、蝕む。

フラフラと、ネオンと混沌に紛れた界隈を歩いて、全てを包み込んでしまいそうな空を、見上げた。

2013/11/16(Sat) 03:20  コメント(0)

◆春の木漏れ日、微睡む君、微かな動揺 

「ん…」

人気のなくなった放課後、穏やかな春風が、窓から吹き抜ける。
ふわり、と淡い花弁を乗せながら訪れたそれは、燃える赤い髪をくすぐった。
日射しはポカポカと温かく、窓の近くに茂っている木々の合間から覗く木漏れ日は、赤い髪の少年を眠りへと誘った。

そんな誘惑に負けたのか、赤い髪の少年は微かな身動ぎをしながら、再び小さな寝息を立てる。

大変美味しい状況なはずなのに、手を出そうとしない…否、出せないヘタレな自分に、銀色の頭が項垂れた。

人気のない放課後、無防備に眠る愛しい人。
確かに眠り始めたのはショートホームルームからだが、いくらなんでも無防備すぎる。
おそらくこの愛しい人は、親友である俺様何様会長様な蜂がいたら、彼に起こしてもらえて直ぐに帰っただろう。
しかし今日は、そんな蜂は高熱により、お休み。
生憎、寝ている彼を叩き起こす者などいなかった。

…これが恋人同士なら、手を出すことだって出来たし、しただろう。
しかし、恋人じゃなくたって好きだからすればいい…はずなのに、…どうも、いざこの状況になると手が出せなくなってしまう。

…おそらく、目の前で無防備に寝ている彼が恋人溺愛で、また彼に愛されている恋人も彼を溺愛しているから、…即ちラブラブだから、入る隙も気も起きなくなるのだ。
だからって諦める気はないし、彼らをからかうのは楽しいから、たまにからかったりしているわけなの、だが。

チラリと、安らかに眠っている彼を横目に見る。
伏せられた長い睫毛は時々震え、幸せな夢でも見ているのだろうか、口元を緩めている。
…きっと、あの恋人関連の甘い夢、だろうな。
ここまでラブラブだと、逆に精々する。
だからって、…諦める気はないけれど。
時たまに溢れる声がやたら艶かしく、雄の中の何かを掻き立てる。
手を伸ばしかけ、…固まってしまった伸ばした指先を、そろそろと戻した。

分かっている、結局どんな美味しい状況に至っても、自分は彼を抱くなんて、出来ない。
彼の涙を思う度、悲鳴を思う度、…心が痛んで、出来ない。
男が廃るってこのことかもな、と思うけれど、逆にそんなヘタレな自分は嫌いじゃない。

―それに、しても。

「無防備過ぎるって。…俺が君を大好きなんて、知ってるでしょー…?」

俺が何もしないと思うから、そんなに無防備になれるのか。
なら、一度ボロボロに傷つけてしまおうか?
泣いても喚いても、浅ましい欲を突き立てて…。

―なんて。

「出来ないって、わかってるからー…?」

結局は彼が可愛くて、出来ない。
質が悪いよ、と小さく息を吐くも、その無防備さも可愛いだなんて思う自分は、末期だ。

叶わないと知りながら、優美な蝶に魅せられる、堕ちた毒蜘蛛。
手を伸ばせば届く距離なのに、触れられないのは、身体だけではなく心も魅せられた、から。

「…ま…君が幸せなら、なんだっていいんだけど、ね」

名前を呼んだら、赤く柔らかい唇を塞ぎたくなりそうだから。
…わざとらしく、違う名で、君を喚ぶ。
こうでもしないと、触れられないなんて、なんて愚かだろう。

ポフ、とサラサラの赤い髪を撫でれば、小さく息を漏らしながら、微かにみじろぐ。

コツ、と靴音が微かに耳に飛び込み、視界の端で捉えた影に、冷たく投げ掛けた。

「―趣味、悪いよ?」

目を眇めながら、撫でた手を止め、影に顔を向ければ、一見可愛らしい笑顔ながら冷たい目で笑われた。

―あぁ、嫌いな、目だ。

「なんのことですかねー…?」

そんなに殺気を出して、何をおっしゃる。
にっこりと笑うもわざとらしい敬語を使い、冷たい目をしている、一つ下の甘い顔をした生徒会の後輩に、ひっそりとため息を吐いた。
大方微睡んでいる彼が好きで、そんな彼に触れている自分が、憎くて堪らないのだろう。

流石、俺が好きになった人。
他の人、まあ厄介なのにも惚れられるなんて。

水面下の戦いの中、ひっそりとそして唇に弧を描いた。

「この子が好きだからって、そんなに殺気出さないでよ?この子起きちゃうし、それに君の可愛い顔が台無しだよ?」

自分がにっこりと笑いながらも牽制をすれば、大体の人間がその場から直ぐに血相を変えて去る。
正直、自分はこの後輩が苦手だ。
それに、彼との甘い一時を邪魔されては困る。
それなのに。

「僕が好きなのが、…貴方と、言ったら?」

……っ、は?

珍しく微かながらに動揺してしまい、目を瞬かせてしまう。
いつの間にか近づいてきていた指先が、自分の顎に、触れて。

視界いっぱいになった彼の顔に目を見開き、ふわりと春風が吹き抜ければ、優雅に身を翻して小さく、笑われる。

「さようなら、先輩」

彼の消え去った教室には、春の木漏れ日と、微睡む君、そして微かな動揺を抱く俺が、残された。


――
筧を嫌いになれない私がいます←

2013/10/26(Sat) 20:33  コメント(0)

◆あなたのオリキャラに質問!! ※バトン( なりきり) 

あなたのオリキャラに質問!!※バトン(なりきり) 

あなたのオリキャラに質問!!

1人のキャラで答えても、雑談形式にしてもOK

では質問スタート

1.まずお名前は?
赤羽夕舞だ

2.年齢と性別をどうぞ
18才、男子だ

3.いきなりだけど好きな人いる?
……アイツみたいに恥ずかしげなく言えるわけねェが、…いる。誰よりも大事な奴が…な

4.得意なのは何?
バスケ。小さい頃からしてるしなオマエらがバスケ得意って言うのは、俺に勝ってからにしろ(強気に笑い)

5.苦手な物は?
筧。実害がある過ぎる上に変態だからな…、まあ、…アイツに似て一途な辺りは嫌いになれねーけど?

6.好きなタイプは?
…俺を好き好き言うバカで、けど可愛くて素直で努力家で犬っぽくて、たまに男らしい奴。欲張りだって?…当然だ、俺と付き合うからにはそれなりにハードル高くなきゃ困る。俺は恋人とかを振り回すタイプだからな。

7.ずばりあなたはおっちょこちょいでしょう
はあ?それはアイツに言え、おっちょこちょいだからよ。まあ、…そんなとこも可愛いが

8.料理する?
するぜ?一人暮らしだからな。普通に出来る程度だ

9.初恋は?
……高3の時、公園でバスケしてたら声かけてきた、犬みたいなアイツ(赤らめながらボソッ)

10.50m何秒?
6秒台。バスケには持久力も必要だが、瞬発力も必要だからな。
一時期鍛えたりもした

11.ゲーム好き?
あぁ。飛鳥とよくやる。……飛鳥は、毎度一枚上手な辺りがムカつく(←)

12.ペット飼ってる?
前一時期飼って…、…っ(思い出したのか真っ赤になり)

13.趣味は?
バスケと、慎一弄り。アイツの反応は可愛すぎる。

14.どんな本読む?
漫画とかだな…

15.家族構成は?
一人暮らしだが、実家に父母がいる。夫婦仲がすこぶる悪いから、絶縁に近いが。

16.英雄になりたい?
……いや、(もう)なりたくない←
僻む奴もいるし、な

17.将来の夢
許されるならプロプレーヤー。だが、バスケ関連の仕事にはつきてぇ。指導でもなんでもいいから。それと、……アイツと暮らすことか、名字が「佐伯」になること、だ

18.やけ酒したことある?
ある(こら←)飛鳥と一緒によくやる。飛鳥には加藤が、俺には慎一が恋人になってから、あまりやらなくなったが…前はかなりあったな

19.自分好き?
案外気に入ってんぜ?だが、…もう少し素直に…なれたら、と思う

20.朝はパン?
パンだな。面倒いし

次誰に答えて欲しい?
リターンしたいが、終わらなくなるから、寧ろ誰か管理人に「この人に答えてほしい!」と言ってくれ←
管理人は無駄にヤル気があるようだから←

終わりです!!お疲れさまでした〜
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2013/10/23(水) 16:25

2013/10/25(Fri) 13:14  コメント(0)

◆◆あなたのオリキャラに質問!! ※バトン( 本編沿い) 

(本編沿いだけど、なりきりでw)

あなたのオリキャラに質問!!

1人のキャラで答えても、雑談形式にしてもOK

では質問スタート

1.まずお名前は?
穂積飛鳥だ。

2.年齢と性別をどうぞ
17才の男だ。

3.いきなりだけど好きな人いる?
…っ…さあな?

4.得意なのは何?
…ゲーセンにあるカーレースとかまあ、ゲーセンにあるゲームだな。後ダーツとビリヤード

5.苦手な物は?
言わずもがな相沢、筧は俺に害はないから良い。夕舞いじり仲間だしな(←)

6.好きなタイプは?
………特にねーよ

7.ずばりあなたはおっちょこちょいでしょう
はあ?(ムッ←)

8.料理する?
する方だな。

9.初恋は?
………チャラ男なクセに真面目なアイツ(赤らめながらボソッ)

10.50m何秒?
測った記憶がねェ…が、まあサッカーしてたから速い方だと思うぜ?

11.ゲーム好き?
あぁ。音ゲーとかシューティングとか格ゲーは特に。

12.ペット飼ってる?
飼ってねェな……、……飼いたいが(ボソッ)

13.趣味は?
夕舞いじりと、とあるチャラ男なクセに真面目なアイツを啼かすこと(←)

14.どんな本読む?
あんま読まねェが、漫画なら読むな

15.家族構成は?
……どこにいるか知らん両親と、家にいるクソ兄貴と俺だ

16.英雄になりたい?
はあ?寧ろ英雄になろうとしている奴を弄り倒してェ(←)

17.将来の夢
…………(アイツと暮らすこと、なんざ言えねェっつーの…←真っ赤)

18.やけ酒したことある?
ある(未成年w←)相沢のクソにからかわれた時とかな

19.自分好き?
好きにはなれねェな…まあだが、これが「俺」だし、変える気はねェ。そんな俺でもいいならついてくりゃあいいし、嫌いなら嫌えばいい

20.朝はパン?
いや、夕飯の残りが多いからご飯だ

次誰に答えて欲しい?
あー…壱にい溺愛の恋人、夢魔宅の霧哉って奴。あんなに壱にいが一喜一憂しる相手がどんな奴か、気になるしな

それと、夕舞が溺愛する闇猫(さん)宅のわんこ…慎一だったか?そいつ


終わりです!!お疲れさまでした〜


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2013/10/24(Thu) 08:13  コメント(0)

◆桃哉+黒葉 

桃哉「っ、ごほっごほ…ッ!(布団に寝込んだまま、咳をし)」

黒葉「たく、…大丈夫か?桃哉。昨日布団ちゃんと被んねーでゴロゴロしたまま寝ちまうからなるんだぞー?(小さく息を吐き、お粥と薬と水を持ってきて)」

桃哉「だって、守のエッチな姿想像してたり、そんな守を脳内でぐちゃぐちゃにしてた「黙れ変態!大人しく寝てろ!!」」

桃哉「ひどいなあ、…でもゴメン。黒葉に移るかも」

黒葉「え、移っちまったら困る明日バイトだしよ、…まあでも今日は橙悟もいるし…人手は足りてるから安心しろ」

桃哉「ありがと、…守に会いたいなあ……でも今会ったら、移しちゃうかな。制御出来そうにないし…いっぱい抱いちゃいそう」

黒葉「…………ラブラブなのは俺的にも嬉しいが、相手を想うならそれはしちゃダメだ(←)」

桃哉「そうだね、…でも会いたくなるよ。風邪引いてるからなんか余計に…風邪って、すごいね」

黒葉「……ふ」

桃哉「黒葉は?…ってあー…なんか、ごめん。」

黒葉「別に…いいっつーの」

2013/10/15(Tue) 19:45  コメント(0)

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