テニプリ夢2
□未来の理解者
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空の色が、青いと思った。
今は、授業が終わり私は1人屋上に居た。
流れる風が心地よくて、私は思わず目を閉じた。
上を見上げれば、白い雲がぷかぷかと浮かんでいて。
私は今自由なのだと。
何事にも縛られていない、と1人薄く微笑みながら、手すりに身体を預けて、下校する生徒たちを見下ろしていた。
「何笑っとるんじゃ?」
後ろを振り向くと、そこには同じクラスの仁王雅治が居た。
視線がバチッと合うと、暖かな風が髪を揺らした。
仁王のサラサラとした銀髪が靡く。
「何でもないよ」
仁王にとって、背を向けていた私。
笑っていたと何故わかったのか。
それとも単なる彼の勘か。
「屋上に来るなんて珍しいのぅ」
どんどん近寄ってくる声が、その時止まった。
多分、彼が歩くのをやめたから。
「…まぁ、座りんしゃい」
再度後ろを振り返ると、彼は寝転がっていた。
あまりにも気持ちよさそうにしているもんだから私も真似してみた。
彼は少し驚いたような表情を見せたものの、次にはもういつもの彼の顔に戻っていた。
「何しとったんじゃ?」
「空を…見てたんだよ」
「空?」
私が空を見上げると、彼も上を向いた。
ゆっくりと雲は流れていて。
「今日の空は綺麗だと思わない?」
「…空のことはよくわからんぜよ」
私が微笑みながら話すと、彼は少し困った顔をした。
「ただの空気なのにか?」
「その空気が集まれば、こんなに綺麗なんだよ?」
私がそういうと、彼は少し納得いかないような顔をした。
「難しいもんじゃな…。」
「まぁ、仁王にもそのうちわかるんじゃない?」
「…お前さんに言われたくなか」
「…やっぱ仁王にはわからないかもね」
「…プリッ」
青い空の下で、燦々と輝く太陽の下で。
彼の銀髪が光り、そのどこか遠くを見つめる瞳は、いつか、私の理解者となる男かもしれない。
【未来の理解者】
(それは、貴方という存在)
...fin
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20080414