KA′book

□your heart
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あれから大分時間が経ち、いつの間にか意識を手放し、眠りに落ちていたアレンは、自身の体の違和感に気付いた。



頭がぼっーとして、何やら視界が霞む。
体はなぜだか火照ったように感じるのに、寒さにガタガタと震える。


開けっ放しの窓に視線をやり、吹き込む冷たい風。




──あぁ、そうか──




季節は冬というのに、窓を開け放したまま眠りについたせいだろう。
外は一面の雪世界。
入り込む風は嫌に冷たく、身を縮こまらせる。





あまりの体調の悪さに、身を起こすのも億劫で、冷たい床に座り込んだまま辺りを見回す。



「てぃ……てぃ〜むっ!……けほっ…」





発した声は掠れていて、ティムの名を呼んでも現れもしない。




「〜っ!てぃっ……てぃむーー!」




何だか無性に寂しくなって、先ほどの自分の発言を思い出し、余計に泣きたくてたまらなくなった。
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