BL長編小説‐純恋愛‐
□音楽系男子
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幼馴染、燐と幽は今日も部活に向かう途中、渡り廊下で話をしていた。
燐は高1幽は高3。部活はどちらも吹奏楽で、3年生がいないため2年生の幽が部長をしていた。燐は唯一ピアノが弾けるので、ピアノ担当。幽はサクソフォンだった。
ある夏の終わり・・・・。
ほんとは否定してほしかった。
「ねぇ幽…聞いて?僕ね好きな人ができたんだっ!来月の花火大会一緒に行くんだよ!]
「へぇ、よかったな。がんばれよ」
いつもそっけない感じの幽は、僕が付き合ったことを話しても無関心のままだった。
ずっと一緒にいたのに。
・・・なんでっ・・・なんで否定しないんだよっ・・・あんなことまでしたら普通嫉妬とかするだろっ・・・・
「燐・・・どうした?涙.....出てるぞ??」
「えっ!?あ・・・」
思わず涙を流してしまっていた。どうしてだろう。
たしかに僕はあの子を好きになったとき、幽をあきらめると心に誓ったはずだ。
でも、悔しかった。引き留めてくれない。・・・・僕に思い入れがなかったってこと??
「燐・・・お前、顔真っ赤だぞ??熱でもあるんじゃ・・・・・」
幽が少し困ったような顔をして手のひらを僕のおでこの方に近付けてくる。
――――パシッ
僕は思わず幽の手を払っていた。
だって・・・つらかった。僕のことをなんとも思ってないって分かってるのに....
なのに・・・触れられたら・・・・。
「っ・・・ごめんっ!幽っ!」
逃げ出した。これ以上顔を見てたくなかった。
今頃幽は何を考えているだろう?そんなことを考えながら、僕は部活に向かった。