捧
□らぶクッキング!
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「ほら食えよ川獺!」
「どうぞ私の力作から先に食べてください。はい、あーん」
「てめえ何やってやがる鮫野郎!川獺、俺が先だよな?」
「何を言うのです!私に決まっているではありませんか。ああ愚かですね、愚かですね、愚かですね…」
「だああやかましい!」
「…………えーっと…」
なんだこれ。
俺の目の前には、皿に乗せられた料理とそれを気持ち悪いくらい笑顔で差し出してくる蝙蝠と喰鮫。
状況が全く分からないが、あまりにもズイズイ皿を突き出してきてうざったかったもんだから、
「なあ…二人ともどうしたんだ?」
とおそるおそる聞いてみた。
すると二人はよくぞ聞いてくれました!と言わんばかりに目を見開くと、
「これは」
「勝負なんですよ」
何故か二人ともものすごいドヤ顔をしてこっちを見ているが、俺としては何がなんだかさっぱり分からない。
既に面倒くさそうな予感がぷんぷんしていたが、そこで俺は仕方なくもう一歩踏み込んだ質問をした。
「何の勝負?」
「「どっちが川獺の旦那にふさわしいか勝負」」
あ、聞かなきゃよかった。
綺麗にハモった声は、俺に深い後悔をもたらした。