コスモス

□薔薇の咲く頃
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人間は言う。
『植物には「水」「日光」「肥料」が必要だ』と。
人間は知らない。
確かにその三つは必要...でもあと「一つ」足りない。
それは――...
花の妖精の特別な歌

これはその妖精達の物語

「…コッスー?」
「おーい?」
二人の少女が机の上で寝ている少女に話かける。
バシッ!
ショートの髪型をした少女が寝ていた少女の頭を叩いた。彼女の名前はサクラ。三人の中で特別頭がいい。
「いってー...」
頭を叩かれた少女はツインテールだった。彼女の名前はコスモス。とても心の優しい少女だ...しかし。頭がビックリするくらい悪いのだ。
「…大丈夫?次薔薇様の音楽の授業だよ?」
黒い髪の毛先が天パにより跳ねている少女。彼女の名前はユリ。裏表が激しい。この学校の情報屋でもある。
「えっ!?嘘!!薔薇様!?」
コスモスは勢い良く立ち上がった。そのせいで椅子が後ろへ飛んでいった。
「薔薇様だよ。妖精界の女王。」
サクラが冷静に答える。
…ちなみにユリは薔薇様を呼びにいった…らしい。
「さ、行くぞ!」
サクラがコスモスの髪をつかんで音楽室へ向かおうとする。
「ぅあぁ!!ぃ…痛いーー!!」
泣き叫ぶコスモス。…どうやらサクラはドSだったようだ。
「…コラコラ」
その声でピタリと止まるサクラ(とコスモス)
「髪が抜けちゃうわ」
クスクスと笑いながら上品そうな女性が話しかけてきた。
彼女は薔薇。この妖精界の女王でもあり、この学校の校長先生でもある。
「薔薇様!!」
声をそろえて叫ぶ二人。
薔薇様の後ろからヒョコっとユリが顔を出す。
「あれ?ユリ。」
「廊下でたらたまたま会ったの」
「…ホラ早く音楽室行くよ」
急いで四人は音楽室へ行く。
行く途中薔薇様は何かコスモスを見て思った
(誰かに似てる…気のせいかしら?)
「♪〜♪〜」
薔薇様はその曲を聴いていたがだんだん顔色が悪くなっていく。
「?薔薇様?」
コスモスが最初に気がつく
「どうかしましたか?顔色が優れないようですが…」
サクラが薔薇様のそばへ駆け寄る
「えぇ…大丈夫…」
そういって倒れてしまった
「薔薇様!!」
「先生呼んでくる!!」
コスモスは急いで廊下へ飛び出た
「…あ、薔薇が…」
薔薇様が頭につけていた薔薇の飾りがどんどん青くなっていった

「朝顔先生!!」
コスモスは保健室へ走っていったらしく保険の先生を呼んだ
「どうしたの?」
保険の先生の彼女は朝顔。三つ網に結んでいるのがチャームポイント(らしい)
「早く!!薔薇様が!!」

二人は音楽室へたどり着いた。
「…薔薇が…」
朝顔が気まずい顔になる
「どうかしたんですか!?」
「…コスモス。青い薔薇の花言葉」
いつもは冷静なサクラのはずだが、声がかすかに震えていた
「…分かんない」
サクラは顔を伏せていった
「…『不可能』」
コスモスの目から涙があふれ出る
「じゃ…じゃぁ…薔薇様の病気が治ることは…」
朝顔は眼鏡を上げ、サクラは涙が今にも溢れてきそうだ
「不可能…ってこと?」
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