T.A.B.O.O

□出会い
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桜子side



杉並「お嬢様、いってらっしゃい
           ませ。」


杉並は車のドアを開けて一礼した。


『いってきます。』



車を下り、校門をくぐる。
いつもと変わらない日常。


制服のスカートの襞を翻さないように、
走ることなく、上品に歩く。
遅刻ギリギリに登校なんてもってのほか。


髪は黒で、耳の下に2つ結び。
天然パーマでふわふわと縦ロールができている。


教室に入れば親友の凜香と挨拶を交わす。



「ごきげんよう」

『ごきげんよう』

「お土産、どうぞ」

『まぁっ、ありがとう!』

「ロンドンで買ったんだけど
        どうかしら?」


凜香は綺麗な髪飾りをお土産にくれた。

2つあって、あたしは左右、髪につけた。


『すごく、素敵よ。ありがとう』


わたしは凜香にハグをした。



幼稚園からこの学園で育ったわたし。


乙女だけの学びやで、
無論男性など知るわけない。



「ねぇ、そうえば」

『また嵐の話?』

「嵐の話で悪かったわね」

『耳にたこができちゃうわ』

「まぁ、そう言わずに」


彼女は嵐というグループの二宮和也さんのファンだ。



まぁ、わたしには関係ないけど
耳にたこができるぐらい
話はきいている。


わたしがアイドルに夢中になるなんて、この時は知りもしなかったけど…





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