短編

□イタズラ
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佐紀ちゃんが本番前にももにイタズラをしてきた。

ほんとはそんなことちっとも怒ってなんかないんだけど、佐紀ちゃんの困り顔が大好きなももはチャンスを無駄にしない。

イタズラにかこつけて、佐紀ちゃんを普段使われていないであろう倉庫に連行した。



「も、ももやっぱ怒ってるよね…ごめん」


早速謝ってくる佐紀ちゃん。

もも、怒ってないよ。

にやけそうになる顔を抑える。


「ももはね?アゴ触られるの嫌なの。って知らなかった?」

「知ってた…けど、つい出来心で…」


ゴニョゴニョと言い訳する佐紀ちゃん。

そんな佐紀ちゃんが、なんだか子供っぽくて、愛しくて。

もっといじめたい。


「ももだって佐紀ちゃんの弱いとこ触っていいんだよね?」

「え…だ、だめ!」


さっと耳を隠す佐紀ちゃん。

自分でも自覚してるみたい。

でもね、今日は耳じゃないの。

せっかくこんだけ露出してる衣装だし。

耳を押さえる佐紀ちゃんの右腕を無理矢理ばんざいの形に上げさせて、二の腕にちゅっとキスを落とす。

佐紀ちゃんは突然のことで体を強ばらせた。


「ちょっ…、なにしてんの!」

「二の腕舐めてるの」

「それは知って……、ん、ぅ」


つぅ、と二の腕からワキにかけて舌を這わせると甘い声を出す。


「ももっ…、も、ぅ、許して……」

「だめ。お仕置き」


必死に腕を曲げようとする佐紀ちゃんの手首を掴んでなにがなんでも曲げさせない。

舌を這わすたびに体が揺れる。


「ん、ゃ……もも…」

「なぁに?」

「まだ怒ってる……?」

「…うん」


嘘。全く怒ってないです。

むしろそんなことを聞く佐紀ちゃんが可愛すぎてお腹いっぱいだよ。

ちらっと顔を見ると、モノ欲しげにこっちを見てた。

二の腕から顔を離して佐紀ちゃんの可愛い唇に近づく。

すると佐紀ちゃんが思いがけない行動に出た。



ちゅっ



ももの急所…そう、アゴに軽いキスをしてきたのだ。


「嫌かもだけど、もものアゴ……好き」


これはももの怒りを抑えようとして言ってるのか、それとも本心なのか。

真っ赤になって俯く佐紀ちゃんを見れば後者だってすぐにわかる。

もう、なんでこんなに可愛いの?

佐紀ちゃんならアゴでもオデコでもなんでも触らせちゃう。


「佐紀ちゃん、もも、今のでさらに怒っちゃったから」

「え…!」


「ももの急所を何度も触った責任とってね?」


とびきりの笑顔で言うと、青ざめる佐紀ちゃん。

そんな佐紀ちゃんの顔が真っ赤になるところを早く見たい。


「もも…ごめんなさい……」

「聞こえなーい」


その言葉が合図かのように、行動に入るももの体。

まだ衣装だからほどほどにしなきゃ。


手加減できるか少し自信ないけど、いただきまーす!






end.
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