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□ 【第十三話】 遥かなる時代の記憶
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「千汐〜…!!!」

「うぷっ…?!ふ…不二子…?」

「あぁん、もう!!心配したんだからぁ!!」



真っ先に駆け寄ってきたのは愛する恋人…ではなかった。

千汐を抱きしめたのは、愛すべきセンパイ。

仲間と再会して早々に、千汐は巨乳に溺れて溺死しそうになった。

傍らには不意打ちを食らって突き飛ばされたらしき五ェ門…。

そして、ルパンと次元が笑い転げていた。



「く…くそ…卑怯な…」

「ふっ、ふ〜じこちゃん、そりゃないデショ!?」

「あ〜っはっはっはっは!全く、おめえは悪い女だ…!本当に悪い女だ…!!ひ〜っ、ハラ痛ぇ…!」

「何よぉ?私だって千汐の事心配してたんだから!!」

「く…苦しい…ふじこ…おっぱいが…おっぱいが…」

「ふっ、不二子!!早く離さんか!!」



五ェ門は不二子からひったくるようにして千汐を奪った。

自分で踏んでぐしゃぐしゃになった袴の裾。

転んで強打したらしい顎のキズ。

何だかカッコ悪い再会…。

だが、再び抱きしめられたのは間違いなく千汐が会いたかった男の腕だった。



「良かった…。もう二度と会えぬかもしれないと思ったのだぞ…。」

「五ェ門…。」

「よくここまで来た、千汐…。」



約2週間ぶりの再会だった。

ぎゅっと抱きしめあい。

熱い眼差しで見つめ合い。

そして…2人は目を閉じて熱いキスを…

…というわけにはいかなかった。




「ちょ〜っと五ェ門!何人前でちゅーしようとしてるのよ!千汐返しなさい!!」

「嫌だ。」

「いいじゃないの!アンタは後で千汐に赤ちゃん産んでもらうご身分なんだから!今だけちょっと貸してよ!!」

「…スイマセン、何の事デスカ…?」

「拙者達の輝かしい未来の話だ(キリッ)。」

「ルパン、五ェ門さっき頭打ったの?」

「…次元、何か言ってやってくれ。」

「…あいにくノーコメントとしか言えねえぜ。」



ここに来たばかりのルパン一味は全員がまだ少しずつ動揺気味だった。

個々人が何を見てきたのかは分からなかったが、確実なのは千汐が最後だったということだ。

いつまで経ってもやってこない千汐をみんな心配して待っていたらしい。

だが、これで5人全員が揃った。

千汐が戻って来たのを見届けたオホヒコという男は、全員に天井を見るように言った。

五芒星の5つの点。

その全てが光り輝いていた。



「皆さんの実力には恐れ入りました。では…約束通りこの『世界』の秘密へとご案内します。」

「秘密…?それが宝か?」

「ええ。少なくとも我々にとってはね。」



オホヒコが歩いて行った先には、たくさんの石の棺があった。

それは彼が前へと進むうち、1つ、2つと順に消えていった。

ついてくるようにと彼に言われるまま、5人はオホヒコの後を追った。

125あった棺はやがて最後の1つになった。

そしてそれが消えた時…。

部屋を覆っていた青い光が変わった。




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