テニスの王子様

□負けず嫌いな少年少女
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私には今、好きな人がおります


その人は文武両道、しかも男子なのに美人さんです

・・・一つ、難点があるのは、


「お前が俺に好意を持っているのは、95.6%だった。・・・俺の計算に狂いはない」


何でもかんでも、予測してしまうことです




『・・・・・・やっぱり、やめていいですか?』

「おっと、それはいけないな。俺の返事を聞かなくていいのか?」

『・・・聞きたいですけど、・・・・・・むー・・・』

「・・・ふっ、卑怯だ、と思っているのは知っているぞ」

『・・・・・・またです!やめてくださいよもう・・・!』



告白したのに、何故こんなにいじめられなければならないのでしょうか!

いつものクールな彼は、今も顕在しています

が、意地悪なのは知りません、むしろ知りたくなかったです


そんなことを思っていれば、目の前にいる彼―――柳蓮二君は、ふと真剣な顔つきになった


え、急にそんな顔をしないでください、びっくりしました



「・・・・・・やはり、やめてもらえるか?」

『・・・え、』

「先ほどの告白は、なかったことにしてもらえないだろうか」


次いで出てきたその言葉に、時間が停止する

ああ、遠まわしに振られたのだろうか、私


思考が再起動を開始し、私は首を縦に振っていた

彼がテニスに力を入れている、という理由で告白を断っていることは知っていたからだ

私もその振られる一人になるのだと思い、彼が立ち去るのを待っていると、

柳君はその予想斜め上を行く言葉を発したのだ



「・・・好きだ」

『・・・・・・・・・・・・』



・・・・・・。



「・・・祁灯?」

『・・・は、・・・え?今なんと?』

「好きだ。・・・付き合ってくれないか?」

『え、だって・・・え?』


なかったことにして欲しい、という言葉からは、考えられない彼の行動に

またも思考は停止する

再起動する兆しは見えない


その様子にくすり、と笑った柳君は、あろう事が私を抱きしめてきたのだ


『・・・・・・はっ、え!?ちょ、柳く、』

「・・・返事は、貰いたいな」

『へ、えええ!?』


柳君の腕の中で慌てふためいていると、段々と気持ちも起こったことも整理することが出来た

つまり、私は逆に告白をされたのか


ということは、


『・・・両、思いですか・・・?』

「・・・わからないな?」

『う、さっき告白しました・・・』

「なかったことだ」

『・・・・・・〜っ・・・もう・・・、・・・私も好きです』


答えに満足したのか、体を離す柳君

・・・やられっぱなしの私ではないぞ!


そう意気込み、柳君の腕を引っ張ると

掠めるほどのキスをお見舞いしてやった


ぽかーんと一瞬固まった柳君にくすり、と笑い、Vサインを右で作ると

右手を引かれ、今度は深い深いキスをお見舞いされたのだった















負けず嫌いな少年少女


(予想を超えるのは、)(得意な二人)
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