テニスの王子様
□Sweet time
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「あーめだー…」
ある日の放課後。
授業のときは
さんさんと
太陽が出ていた空が曇り、
さあ帰ろうというときになって
雨が降り出した。
なんということだ。
傘はここから30分という家の玄関だ。
「むー・・・」
いっそのこと濡れて帰るか。
そう考えてやめた。
だって、夏服だから下着透けるもん。
そんなことをかれこれ数分している。
「・・・・・・うん。仕方ない。」
濡れて帰ろう。
そう決意して歩き出した瞬間。
「幟旡!!」
愛しい彼の声が聞こえた。
「・・・蓮二・・・?部活は?」
「今日は精市の意向でミーティングのみだ」
「そっか。」
「・・・・・・傘、」
「ん?」
「・・・幟旡が傘を忘れ、濡れて帰ろうとしている確立、100%」
「・・・・・・・・・ばれた?」
しまった、と思った。
蓮二は、私の忘れ物に付け込む悪いヤツだ。←
・・・本人は、ただいじっているだけの様だが。
「フッ・・・いつも天気予報を見ないお前が、傘を忘れる確立は89.54%だった。
手にしていないところを見ると当たりのようだな」
恐るべし、参謀。
「そうだよ、忘れた!もしかして、もう1本持ってる・・・?」
「いや、1本しかない。」
なんだよ。
忘れること見越してたんなら
持ってきてくれてもいいじゃないか!
「なーんだ・・・。じゃあ走って帰るもんねー」
「だが、」
「む?」
「1本はある」
そう言って淡い緑の傘を出す蓮二。
・・・そうして、アイアイ傘で帰ったのは言うまでもない。
Sweet time
(・・・か、体が密着する・・・っ!)(・・・効果は抜群のようだ。←)