緋色の欠片
□Noisy Lovers!
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とある日の昼休み。
『やっきそばまひろーん!』
「うるせえええ!まひろん言うな!」
皆の集会所『屋上』に二人の男女の姿があった。
二人は所謂幼なじみであり、恋人同士である。
だが、今のやり取りを聞く限り、到底そうは思えない。
幼なじみの延長のような恋愛をしている二人なのだ。
『真弘ー。やきそばパンいる?』
「おお!ようやくお前もやきそばパンのありがたみに気づいたか!」
『気づくわけないだろー』
「てめぇ・・・」
そんな騒がしい二人のところへ人が数名やってきた。
「相変わらず幼いやり取りッスね・・・」
「まあ、##NAME3##は分かるけど・・・真弘先輩は、ねぇ・・・」
「・・・あまり触れてやるな。いじけるぞ」
「狐邑先輩・・・フォローになってないです・・・」
呆れた顔でやってきた拓磨と珠紀、
フォローしたのかけなしたのか分からない祐一、
それにつっこむ慎司。
皆、顔は呆れているが、内心ほほえましく思いながら二人を観察している。
「・・・お前ら・・・・・・特に祐一!俺様はいじけねえよ!」
『・・・といいながらちょっとへこんでるまひろん。』
「あんだと##NAME3##!!ツラかせや!」
『やんのかこのやろーw』
そういってじゃれあい始める二人、それをスルーして昼を食べる者たち。
数分後、少し静かになったのを不振に思った珠紀が、
衝撃的なものを見てしまう。
『・・・うーん・・・・・・どうしよっかなー』
「ま、後でお前の部屋行くわ。そんとき渡す」
『了解です!』
床に倒されている##NAME3##と、その上に覆いかぶさっている真弘の姿。
・・・さっきまでの喧騒が嘘のような甘い雰囲気。
「・・・・・・結局バカップルだよ。あの二人」
呟いた珠紀の声は、満場一致の回答だった。
Noisy Lovers!
(今日もまた、)(騒がしく。)