緋色の欠片
□貴方の心情は、
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新年が明けて、10日。
忙しい正月も越え、学校が始まって2日。
私、##NAME4####NAME3##は悩んでいた。
「・・・うーん・・・・・・」
悩みの種はもちろん、恋。
恋人・・・―――大蛇さんとの進展について。
何しろ私はこれまで、異性と付き合ったことがない。
「・・・むむむ・・・・・・」
というわけで、先程からうなっている。
・・・授業中に。
「・・・い・・・おい・・・おい##NAME4####NAME3##!」
「っはいいいい!」
「ボーっとするな!これ解け!」
授業は数学。
数学はいつもテストで壊滅的な点数を叩き出す私にとって、サイアク極まりない授業だ。
「・・・・・・知らない♪」
「なんだとおおお!?お前は今日放課後に課題をやれ!絶対だ!拒否権なし!」
「ヒドイッ!」
そうして、今日は居残りをすることになってしまった。
新年早々、なにやってんだ自分・・・!
放課後。
「・・・わからん・・・・・・ぜんっぜん分からん・・・」
数学の先生は相当お怒りのようで、沢山の課題を6時までに提出と言うことだった。
ちなみに今の時刻は4時。
残りはまだ半分以上もあり、このままでは提出できない状態である。
「・・・・・・はぁ・・・」
あの悩みも加わり、ただでさえ終わらないかもしれない課題に
頭が痛くなっていたときだ。
「・・・おや?##NAME3##さんですか」
「・・・!・・・お、大蛇さん・・・!」
授業でもあったのか、すずりを2つほど持った大蛇さんが
ドアの前で私を見ていた。
「今日はどうしたんですか?」
「・・・え、えーと・・・居残り、です。数学のときボーっとしちゃって・・・」
「それはいけませんね。・・・何か、悩み事でもあるんですか?」
「え、!?・・・な、ないですよ?そんな、新年早々悩みだなんて・・・」
痛いところをつかれ危なかったが、何とかごまかしを入れた。
「・・・・・・そうですか。それでは、私はこれで」
「え、あ、はい。さようなら・・・」
大蛇さんはどこか悲しそうな顔をしながら帰って行った。
自分の態度のせいだろうか。
そうだ。きっと大蛇さんは私の悩みに気づいて、呆れてしまったんだ。
そんなネガティブなことを思いながら、自嘲気味に笑った。
その1時間後。
「・・・終わんない・・・・・・後もうちょっとなのに・・・」
時刻はすでに5時を過ぎ、あたりは暗くなってしまった。
課題は終わらない、大蛇さんとの関係も自分のせいでギクシャクしている。
心はもうグチャグチャで、無意識に涙をこぼしていた。
「・・・もう・・・っ・・・分かんないよ、・・・うっ・・・」
「##NAME3##さん!」
突然、愛しい人の声が聞こえた。
「・・・え、?大蛇、さん・・・?」
「まだいらっしゃいましたね・・・」
「あ、はい・・・課題が、終わらなくって・・・」
それを聞いた大蛇さんは薄く笑い、
「私も手伝いますから、一緒に帰りましょう」
そう言って、前の席に腰を下ろした。