緋色の欠片

□Scarlet
1ページ/2ページ




ある晴れた秋の昼時。

(ザアアアア…)

『おー…すごいですねー!』
「あぁ、そうだな」

俺と祐一先輩は近くの山へ紅葉狩りに来ていた。

紅葉は赤、黄、橙と色づき、鮮やかなグラデーションになっている。

『…ここら辺は一段と赤いですね!綺麗です』

「…確かにすごいな。」

俺は紅葉狩りをあまりしたことがなく、
最後に行ったのは…恐らく何年も前だろう。

それを聞いた先輩が誘ってくれたのだ。

(「俺と一緒に紅葉狩りをしないか?」)

それを渋りながら了承した俺が今、これでもかと言うほどに騒いでいる。

「………お前は見ていて飽きないな」

『なっ!それちょっとヒドクねぇすか!?』

「##NAME3##、口調だ」

『うっ…ヒドクナイデスか?』

「酷くはない。愛情だ」

この上なくキザで歯の浮くような言葉を召喚する祐一先輩は

絶対確信犯だと俺は思う。

「…!…##NAME3##、あれを見ろ」

少し道が拓けたところに
沢山の紅葉の木が並んでいた。

それを見ながら、
ああ、平和だ。と思い、

また先輩の隣を歩く。







scarlet!

(紅葉、)(高揚。)
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ