緋色の欠片
□Scarlet
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ある晴れた秋の昼時。
(ザアアアア…)
『おー…すごいですねー!』
「あぁ、そうだな」
俺と祐一先輩は近くの山へ紅葉狩りに来ていた。
紅葉は赤、黄、橙と色づき、鮮やかなグラデーションになっている。
『…ここら辺は一段と赤いですね!綺麗です』
「…確かにすごいな。」
俺は紅葉狩りをあまりしたことがなく、
最後に行ったのは…恐らく何年も前だろう。
それを聞いた先輩が誘ってくれたのだ。
(「俺と一緒に紅葉狩りをしないか?」)
それを渋りながら了承した俺が今、これでもかと言うほどに騒いでいる。
「………お前は見ていて飽きないな」
『なっ!それちょっとヒドクねぇすか!?』
「##NAME3##、口調だ」
『うっ…ヒドクナイデスか?』
「酷くはない。愛情だ」
この上なくキザで歯の浮くような言葉を召喚する祐一先輩は
絶対確信犯だと俺は思う。
「…!…##NAME3##、あれを見ろ」
少し道が拓けたところに
沢山の紅葉の木が並んでいた。
それを見ながら、
ああ、平和だ。と思い、
また先輩の隣を歩く。
scarlet!
(紅葉、)(高揚。)