緋色の欠片
□R20!
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夏の日の夜。
宇賀谷家では、恒例の鍋パーティをしていた。
「おーし拓磨。肉の準備はいいか!」
「うす!奉行!」
「よし、そんじゃ肉・・・投入ー!」
「うす!奉行!」
「ネギ、入っているな?」
真弘の掛け声でいつものように肉が投入される。
それを呆れ気味で珠紀と俺は見ていた。
『・・・毎度のことながら・・・うるさいなー、この人たち』
「そうだねー・・・鍋奉行。・・・・・・はあ・・・」
思わずため息が出てしまう。
「まあまあ、珠紀様も采架さんも!面白いしいいじゃないですか」
「そうですよ、先輩」
美鶴と慎司の言葉で苦笑しながら、この光景を楽しんでいた。
しばらくすると「家に忘れ物を」と言って出て行った卓も集合し、
鍋のふたは開かれた。
「よし・・・・・・・・・今だあああ!」
ガパッ
『おおー、さすが先輩。グツグツだわ』
「肉ううううう!これは俺様の肉だあああ!」
「ズルいッスよ先輩!俺も食うッス!」
「・・・・・・やはりネギがうまい」
俺は呆れながらも肉争奪戦に参戦し、拓磨と真弘先輩と共に取り合いを続けた。