SUGAR & SPICE
□願い
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翌日
私たちは宇賀谷家へときていた。
『・・・やはり、誰もいないな』
「ああ。だが休憩は取るべきだ」
そう言って祐一は今の方へ歩き出した。
―――よろしくお願いします!―――
一番最初、私が皆に受け入れてもらったとき。
珠紀は一番に信じてくれた。
それが嬉しくて、なきそうになってしまった私がいた。
居間は、そんな出会いの場所。
「・・・采架、」
『・・・すまない、抑えられない・・・っ・・・』
柄になく泣いてしまった。
祐一は、私が泣き止むまで静かにそばにいてくれた。
『・・・っ・・・はあ・・・』
「大丈夫か?」
『・・・ああ。・・・私はこんなに泣き虫だっただろうか・・・』
つかの間の休息を私たちは穏やかに過ごせた。
「・・・そろそろ行こう」
『そうだな』
2時間程休むと、頭もスッキリして、いつもの調子を取り戻した。
これからどうすればいいのか、それはまだ分からない。
でも居間は進むべきだと思う。
『・・・まずはどうするか』
「皆を探そう。珠紀たちも、捕まった守護者たちも」
『・・・ああ、助けて日常を取り戻そう。・・・二人でな』
「!・・・ああ」
願い
(二人ならもう、)(何も怖くない)