SUGAR & SPICE
□ある青年の独唱
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いつからだろう。
俺が采架を気にかけるようになったのは。
いつも俺や守護者、珠紀を助け、
人一倍、何か心に溜め込む采架が、
いつしか気になって仕方なかった。
急に現れた謎の少女。
最初は、この現象を起こしているのはこいつなのではと思い警戒したこともあった。
でも、そんなことは露ほども思わず、俺たちを時に守り、時に助け・・・
いつの間にか、かけがえのない仲間になっていた。
前の世界での呼び名、
自分は人形だと卑下している心、闇。
采架を知っていくうち、心の中の闇を知っていくうち、
俺にとって采架は仲間以上の存在となった。
・・・ありがとう。
感謝されるたび、
嬉しくて舞い上がってしまう自分がいる。
行け!
その背中を見るたび、
背負っているものをどかしてやりたいと思ってしまう。
そんな中、ダードを倒すときの「死を恐れない、冷めた目」に気づいた。
それを見た瞬間、采架がいなくなったらと考え、
同時に怖くなった。
どんな状況でも冷静に判断を下し、
時には命がけで守っていくれる采架が遠くに行ってしまう、いなくなってしまう。
考えれば考える程、俺の心は乱れる。
それ程までに、俺は采架を想っているんだ。
ある青年の独唱
(それは狐邑祐一の、)(行き着いた答え。)