SUGAR & SPICE
□罠
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会議が終わり五瀬が出発してから
随分時間が経った。
皆それぞれの準備をしている。
私は少し上の空でふらふらと
境内に来ていた。
「・・・采架」
「よ!・・・お前、なんか辛気臭ぇ顔してんなー・・・」
『・・・・・・黙れチビガキ。』
「な!?お前仮にも年上に向かってっ・・・」
『仮にも、だ。年上には見えない』
まったく・・・こいつはいつもうるさい。
『・・・・・・悪くはないか』
「あ?なんだぁ・・・?」
「・・・・・・」
そして、静かになる二人を横目に
先程の気配について考えた。
この世界に私の知り合いがいるとは考えられない。
珠紀たちのほかに話をしたといえばパン屋だけだ。
となると、こちらの世界に滅喰者の誰かが来てしまった、
もしくは似た気配に持ち主がこちらにいるかだけになる。
時空の歪でこちらに来たやつがいるのなら、
先程私にあった段階で声を掛けてくるだろう。
となると、気配が似ているだけの他人か・・・。