SUGAR & SPICE

□希望の光
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チャキンッ


数分後、ダードはもういない。

刀をしまってケテルを呼ぶ。


『・・・・・・ケテル』


ケテルと共にニールも来る。


「・・・・・・お前、生きていたのか」

『お前もな・・・何故ニールといる』


早速本題に入るとケテルは話始めた。


ケテルが本当はニールだということ。

ニールを名乗っていたのはマルクトといい、ケテルの従者だということ。

自分たちは人間の憎悪から生み出されたホムンクルスということ。


何もかもすべて、話された。


「私は私を生み出した人間たちが憎い。

この憎悪は、鏡で世界を壊すことで満たされる」


『・・・お前は間違っている』

ケテルとニール、もといマルクトは冷ややかな目で見てきた。

だが、私は屈せずに続ける。


『人間とひとくくりにしているが、全部が全部悪いヤツじゃない』

私たちを逃した多家良だって人間だ。

『それを言ってしまえば、私だって神なんかじゃない。ただの人間だ。

それでも全部の人間を悪人にするのか?』


「・・・・・・黙れ」


ケテルは腕を前にし、力を放つ。

それに気づいた私は祐一を引っ張り、回避する。

刀を蹴りだし、戦闘態勢になる。


『・・・ケテル!』

「私は、人を滅ぼす存在として・・・この世に生を受けた」


ケテルの力を防ぎながら近づく。


その間も私は話し続ける。


『お前は、自分の気持ちから逃げているだけだ。

殺したくない、いやだ。そんな感情を心の奥底に隠したまま、無理やりその宿命を果たそうとしている・・・。

そんなのは、自分の人生じゃない!』



着々と近づき、後数メートルのところでケテルの力を跳ね返す。


キィイインッ

そしてその瞬間をついて地面を蹴り、ケテルを抱きしめた。


「・・・ッ!」

「ニール!」

「采架!」


ケテルは暴れるが、私は抱きしめながら言葉を続けた。





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