SUGAR & SPICE
□神隠し
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『・・・・・・答えはNOだ。』
これは私が言い出したコトだ。
ロウトを巻き込むわけには行かない。
それに。
『・・・ロウトには、私の後を頼みたい』
ロウトは他の滅喰者たちより強い。
真剣に勝負すれば、私をもしのぐかもしれない。
だから、頼める者はロウトしかいない。
「・・・え、」
『私の後釜を君に託したい。皆を、任せたい』
私の願望かもしれない。
『重く考えなくていい。ただ、指揮を執ってもらいたいんだ』
「采架・・・」
ワガママかもしれないが、
『・・・君にいう最後の任務、だ』
この任務を遂行してほしい。
それが私の、"ここ"での最後の願いだ。
「・・・・・・・・・っ、御意」
ロウトは、強く頷いてくれた。
それから少し経ち、いよいよ時空の歪に入る時間になった。
「それでは、始めます。」
『・・・・・・はい。』
ゴォォォォ・・・
バチッバチッ
急激に体が重くなるのを感じながら、
私は意識を手放した。