小説2

□甘い蜜に誘われたキミへ
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※ヌルいですが若干大人向けの作品です。
一応全年齢対象ですが、閲覧の際はくれぐれも背後にご注意を(笑)





「カムイ、少しいいかしら」

「アクアさん?」


アクアに呼び止められ、カムイはキャッスルの厨房で皿を洗う手を止める。
彼女から目の前に出されたそれに、カムイは首を傾げる。


「もしかして口紅、でしょうか?」

「ええ、そうよ。
でも普通の口紅じゃないの」

「と、言いますと……?」


頭に疑問符を浮かべるカムイをよそにアクアは彼女を鏡の前に連れて行く。
説明するよりも実際に体験した方があなたには効き目があるだろうから、と。


「今日も愛しいあの人と会うのでしょ?」

「そうですけど。
アクアさんだってそれは同じなんじゃ?」

「私は十分噂でこれの効果を知っているからいいの。
これはあなたにあげるから、その代わり今日からその口紅を使ってくれないかしら」


そこまで言われては断れないカムイ。
とにかくアクアの気持ちと口紅を有りがたく受け取り、それを早速唇へと乗せる。
いつもより艶めく唇にカムイは感動すると共に、この口紅の効果とやらも気になり始める。


「私は約束があるから。
ここで失礼するわね」

「はい。
ありがとうございました。
この恩は必ず返させてもらいます」

「ふふ。
私はカムイの幸せそうな顔を見られるだけで、十分元気をもらっているわ。
……それじゃ、失礼するわ」


アクアが去った後、カムイはもう一度鏡を見直す。
一見すると普通の口紅と変わりなどないのだが。
アクアが言うのだから何かしら効果があるのは違いない。
彼女は皿を全て洗い終えてから、マイルームへと向かった。
そこで待ち受けていた彼とは――。


目次

2 レオン

3 マークス

4 リョウマ

5 タクミ

6 ススカゼ

7 ジョーカー

8 ???
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