小説

□テイルズ学園 第3章
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精霊の名を叫ぶ。

すると地の中からヒョロリとアスパラガスのような精霊が小規模な集団を保ち、姿を現す。

彼らがクラースの召喚したノームである。

ノームは息を限界まで吸うとロケットのように体の中心が丸みを帯び、頭や下半身は非常に鋭利な形に。

ウルフ目掛けて飛ぶ。

そのままウルフに突進するかと思いきや、ドオォォーン、と音をたてて中規模な爆発を起こす。
これは自爆ではなく、クラースのノームによる正式な攻撃方法だ。

「クゥゥーン…」

ウルフたちは情けない吠えをし、消滅する。
戦いに決着がついた瞬間だった。

「やれやれ…」

クラースは役目を果たし、深々と帽子を被り直した。

今度こそは魔物に追われることなく学園へ着いた。
クラースは校内に入り、図書室に向かっている間に突然疑問に思った。

「(なぜ学園は今まで魔物の襲来に遭ったことがないのだろうか?)」

そう思っていると、ハロルドが隣を通り抜けて行くのが見えた。

慌てて呼び止めるとハロルドは珍しく素直に止まってくれた。

クラースが疑問を彼女に口にする。

「ハロルド、この学園は何故今までに魔物の奇襲が来ないんだ?」

「残念ながら口止めされてるのよね〜。自分の頭で考えてみれば?資料とかも残されていないことなんだし♪」

「資料も残されていないのか。では、ヒントぐらいくれないか?」

「だーかーらー、私は口止めされているから無理なのよう」

「…ケチだな」

わざとらしく拗ねたフリをするとハロルドが仕方ないやつねぇ、と溜め息をつうた。

「教えてあげたいところだけど、約束は約束。ただ答えを知っている人に会うことは出来るわよ」

彼女は人差し指をピンと立てると顔に引き寄せてこう続けた。

「校長に会えば分かるわ」

「校長だと?」

「あ、リフィルに呼び出し食らってるんだったわ。それじゃ、じゃーねー」

ハロルドはクラースに別れを告げると早々に去って行った。
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