小説

□テイルズ学園 第3章
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「俺たちでやらないといけないこと、か…」

ロイドが考え込んでいる。

「ヒトによって方法はたくさんある。まずは出来ることからやろう」

クラースは考え込んでいるロイドに告げた。
すると生徒たち、スタンが威勢よく返事をした。

「クラースさんって、すごいですね。まとめるところはまとめて。俺も貴方の後輩として見習わないと」

スタンはクラースにこう告げ、生徒たちに稽古再開の合図をした。

生徒たちからはブーイングが飛び交うものの、スタンとクラトスは稽古用の木刀を握り村の草原へ。
生徒はそれに続く。

「クラースさん、それじゃあ僕たちは稽古なので…」

クレスはクラースに別れを告げると生徒の集団に続き草原へと向かい始めた。

「…、私は帰るとするか」

クラースは独りでそう呟くと学園へと歩きだした。

ここから学園はほど近い。徒歩15分ほどだ。

しかし、魔物が餌を求めてさ迷う道を通らなければならなかった。

刺激を与えなければ魔物は襲ってこない。
そういうことでは非常に恵まれている。

いつも通りクラースが周りに警戒しながら歩いていると魔物が寄ってきた。
ウルフと呼ばれる狼の魔物だ。その数、5体。

彼はウルフに刺激を与えないように歩く。
しかし、彼らは追いかけてくる。

「(まさか…私にじゃれているのか?)」

彼が止まるとウルフたちも止まる。彼が走るとウルフたちも走る。

クラースは野生のウルフたちが懐くという話を聞いたことがない。
これはもしや―、

「(まさか、私を食うつもりか!?)」

慌ててクラースは走り抜けようとしたが、ウルフたちに遮られてしまった。

「仕方ないな…」

クラースは懐から本を取りだした。
それに書かれているのは精霊のことだ。

彼は本へと精神を集中させながら精霊を呼び出した。

「ノーム!」
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