小説
□頑張れ、父さん!
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父の日前日の夜。
夜空を眺めていた男が二人いたのだった。
一人は金髪、もう一人は茶髪の少年。
そして、金髪の少年はもう一人の少年に話し掛けた。
「ロイド、星が綺麗だね」
「ああ…」
ロイドはどこか遠い目で夜空を眺めている。
「どうしたの、ロイド。何かテンション低いね」
「俺は明日、どうすればいいんだろうな…って考えててさ」
「そっか。明日は父の日だもんね」
「ああ、そうなんだよな」と言い、少し間を置いてからロイドは少年に尋ねる。
「カイル。お前は父さんと何をして過ごすんだ?」
「オレ?オレは…父さんと冒険するんだ」
彼はよっぽど嬉しいのか、目が輝かせている。
「予定を決めてあるのか。早いな」
ロイドはため息をついてからこう言った。
「俺の父さんは予定空いてるか分からないってよ。それに空いていたとしてもどこに行くか、なんだよな〜」
「もうっ。ロイド、元気出してよ。そんなんじゃ明日楽しめないよ!」
カイルは必死にロイドを励ました。
「そうだな。悩んでも仕方ないよな。よーし、今日は遅いし明日考えるか。カイル、部屋に戻ろうぜ」
「うん!」
カイルとロイドは部屋へ向かった。