小説
□テイルズ学園 第2章
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そしてゼロスは―、
いつも通り賑やかな教室に満足しながら教室に足を踏み入れる。
扉を開くとガラッという独特な音がした。
「おーい、オメーら。席につけ。あ、女の子たちは俺さまとデートするために立ったままでいいぜ。なーんてな」
ゼロスがいつもの明るくふざけた態度でいると、必ず女子たちのブーイングが飛んでくる。
そんなことはお構いなしに彼は右へと視線を流す。
そこには数学教師としての相棒、クラースがいる。
基本的にゼロスが授業を進め、クラースがよく理解していない生徒に教えていくというポジションである。
「…やれやれ。浮かない顔だな。その様子だとバレたな?」
クラースが声を潜め、呆れ顔で尋ねる。
「正直ムカムカしてるが、バレたことに変わりない」
「はは。そんなことでお前は落ち込んだりもしないだろう?」
クラースは教科書を開く。
準備は万端だとでもサインしているのだろう。
彼は教科書に視線を落としたままだ。
「よーし、んじゃ授業といくぜ。そうだな…確率の問題だ。コレットちゃん、ロイド君が授業中に寝る確率は?」
ゼロスが寝ているロイドたちを見つけるのは日常茶飯事だ。
それを問題にするのも変な話だが。
「えっと、14教科中のうち国語と体育と技術と武術は起きているから…。14分の10、つまり7分の5の確率で寝ています」
彼女はロイドに起きてと視線を送りながら答えた。
次第には彼の肩を掴んで揺すっている。
「そーそー、コレットちゃん大正解!目覚めの一撃は…クラースに任せるわ」
ゼロスがそう言うとクラースはゆっくりとロイド…、ついでにリッドとカイルに近づき、教科書の角を頭に直撃させた。
たちまち三人は痛い頭をさすりながら起きる。
「もうメシか〜?」
リッドはかすれる目を眠そうにこすっている。