小説

□テイルズ学園 第2章
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一方、教室では―。
生徒たちが騒いでいた。
言うまでないが、休み時間だと生徒たちは元気がいいようだ。

俺は悪くねぇっ!と赤短髪の男から聞こえたり、ワイール!とご機嫌な声が聞こえたりと賑やかだ。

「うーん…」

セネルは唸りながら考え事をしているようだ。
眉間に皺が寄っている。

「…どうした?」

たまたま近くに居合わせたヴェイグが聞いた。

「ここはせっかくのマンモス級学園なのに、部活とかはないのかと思ってな」

「確かに勿体ない気がするな…」

「だったらよぉ、」

いきなり話に割り込んできたのは黒長髪男子、ユーリだ。

「これから俺たちと仲良くしねぇか?」

「言ってる意味がよく分からないんだが」

セネルが首を捻ると、ユーリが微かに笑った。

「なに、今日の放課後に校門前に来れば分かる」

それだけ言い残し、ユーリは去って行った。

「だってよ。どうする?」

ヴェイグにセネルは問い掛ける。

「…ユーリがどんな人物かよく分からんが、悪いやつじゃない。……一緒にどうだ?」

ヴェイグなりの不器用ながらの誘いだった。
セネルはヴェイグが誘ったことに一度驚いたが、すぐに笑い掛けた。
そして、

「ああ!」

嬉しそうに返事をした。

「…そうとなったら何か逃げる準備をしておいた方がいいな」

「なぁ、何で逃げることが必要なんだ?」

「…ユーリのことだ、きっと大事を起こしてトラブルになる」

「…は?」

セネルはヴェイグの言葉の意味がわからないままだったが、放課後に分かるだろうと思いあえて黙っていることにした。

ユーリのことよく分からないって言ってなかったか?という疑問は伏せることに終わった。
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