小説

□テイルズ学園 第2章
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「…何だ、その何か言いたげな眼差しは」

ユージーンは不満そうに目を細めた。これ以上に疑り深い目をゼロスは今までに見たことがない。

「俺のことを尾行している暇があったら、一刻でも早く学園に慣れるようにマーキングしてろってんだ」

「俺はマーキングの必要はない。ちゃんとトイレを使うしな」

「いやいやいや。トイレ使うとか、そういう問題じゃないっしょ」

ゼロスは両手を広げ、大げさに頭を左右に振って、いかにも呆れましたとリアクションをしている。

「神子(みこ)、お前はそういう癖が―(以下略)」

この下りは長く続くのがお決まりというもの。
出来れば早く終われと願うばかりだ。

一通りとりとめもない質問に答え、こちらからも質問を返す。

「んで、いつから俺さまに気付いていたわけだ?」

想像に任せようと答えたのはユージーンだった。
ほんの少しの時間の後、彼はゼロスに向き直りこう告げた。

「ゼロス、ここから先は絶対にくるな」

「どうしてだよ?」

「…答える必要はない」

彼はこれ以上は本当に危険だと釘を刺し、踵を返してどこかへと姿を消す。

「(…あいつら、一体何やってんだよ)」

ゼロスは一人、廊下で立たずむ。
しかし考えたところで答えは見つからない。
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