dream1

□空虚に愛すとしても
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部屋にはスプリング独特のギシギシとした嫌な音が鳴り響く。

2人だというのに部屋には蒸気したような人独特の温度があり気持ち悪さが増す。

あぁ、もう嫌だ。

この気持ち悪さを無くしたい。

吐き気がするような、反吐が出るようなこの気持ちを抜け出したくて欲望に任せて腰を打ちつける。

なんで俺こんなことしてんだ。


「う、ひぃ…はぁ…、あ」


甲高い、いつもなら耳触りな女の声が耳の鼓膜を刺激する。

もうこの気持ち悪さに比べたら声なんてどうでもいい。

今俺はこの気持ちを吐き出したいんだ。


「あんぁ…ふっ、んんぁ、あ、べくん」

「喋るな」


そう言って俺は彼女の口をベットの隅に置いてあったティッシュで塞ぐ。

名前を呼ばれたくない。キスもしたくない。

あいつの存在を、呼んでくれていた声を消したくなんてない。

唇を重ねたときのあの温度を消したくないんだ。


「ふっ、ん、ん」


ティッシュで塞いでいるせいか声は響かないし、聞こえない。

これでいいんだ。

俺の名前なんて呼ばせるものか。

目の前の女の顔を見るとイったせいか目には涙を浮かべていて苦しそうにしていたがそんなの知ったこっちゃねえ。

この虚無感と孤独感を俺が埋めることが出来るならそれでいいんだ。

いつの間にか女が掴んでいた布団は床に転がっており、シーツは俺達がいる部分だけが生温かく室内には俺たちの体液の匂いが充満していた。

吐き気がする。

気持ち悪い。

そう思いながらまた俺は腰を打つ。

目の前にいる女はあいつじゃない。

もういないんだ。

俺を、この孤独感を埋めてくれる奴はもういないんだ。

そう実感したときに俺はこの欲望を目の前の女のナカに吐き出した。

ようやく分かった、この感情をきっと



っていうんだろうな。

(目の前の女は気絶していた)
(俺は一体何に満たされたんだろうか)

++++
病んでる阿部氏を書いてみた
ヒロインいないんだけどこの小説って夢なのかな?


2011.05.15


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