dream1
□あぁ、愛しき戦乙女
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*シリーズヒロイン
*番外編
今日も彼女は素晴らしかった。
仲間と力を合わせコートの上に立つ。
高く舞い上がりスパーンと良い音を立てて彼女の腕が地面へとボールを叩き落とす。
あぁ、バレーをする彼女も勇ましく素敵だ。
まさしく戦場に舞い降りたヴァルキュリアの様だ。
その美しい姿は傷ついた戦士をも癒してくれるだろう。
声を掛け合いながら笑顔でハイタッチをする姿も愛らしい。
その笑顔を俺にも投げかけてくれる日は来るのだろうか。
いつもは照れ隠しでなかなかしてくれないがきっといつかしてくれるはずだ。
にこにこと笑いながら小首を傾げて可愛らしく微笑む姿は容易に想像できる。
あぁ、本当に美しい。
その笑顔を俺にくれれば俺はこの身を捧げても良い。
愛くるしいその風貌や、仕種が全て俺のものになった時は多分俺は天に召されても構わないだろう。
その代わりに死ぬ時には彼女が俺を導いてくれ。
ヴァルキュリアは「英雄の前に現れる幻想的な恋人」だ。
戦死者の前に舞い降りる幻想の恋人はさぞ美しいだろうな。
その魂を導くため虹の橋を渡り、空を翔る。
死ぬ時にその姿に会えたなら俺は選ばれた人間になれたって訳か。
美しいヴァルキュリアよ。
愛してる。
この命尽き果てるまで彼女を愛することを誓おう。
最後に彼女に殺される時が来たとしても彼女の前で、彼女の手で殺されたなら本望だろう。
もう一度愛らしい彼女自身に誓おう。愛してる。
………
「で、何してんの。阿部」
「お前を観察して日記つけてる最中だ」
「馬鹿じゃないの!?なんで日記つける!そしてなんか日記って言うよりも語りだろこれは!完璧意味を穿き違えているよ!」
「そんなことはない。それにこれは俺にとって大事なお前の成長記録だ」
「ホントだ。無駄にびっしり書いてある。その真面目さをどこか別のところで使いなよ。頭痛い……」
そう言って頭を悩ませる彼女も実に愛くるしい。
いつか頭の中を俺いっぱいで埋め尽くしてやりたいものだ。
「なんか気持ち悪いこと言ってるし!しかも日記に書くな!!」
あぁ、愛しき戦乙女
(戦死者を選ぶのは)
(きっと未来を選ぶためなのだろ?)
(ヴァルキュリアよ……)
++++
久しぶりにキモべ書いた。
シリーズの続きみたいな感じ
2011.04.29