dream1
□静止した世界の愛し方
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この間から夢の中にあいつの顔が出てくる。
全然知らないわけじゃない。
あったことのある、でも話したことのない、名前の知らないあいつが出てくる。
授業中も、部活の時間も、家にいる時もあいつの顔が頭から離れない。
正直言ってこんなこと今までなかった。
突然だぜ?ありえないだろ。
あまりにも奇妙なことだから手っ取り早く水谷に聞いてみたら「それは阿部自身で考えなくちゃ」とにやにやしながら言われた。
自分で考えてわかんねえから聞いてんだろ。
授業中、ここにはいないあいつの顔が浮かんできた。
確かあいつは9組だったか。
どうせ田島達と話でもしてんだろ。
あいつら確か授業自習とか言って自慢してたからなぁ。
そう考えた瞬間胸の奥がちくっと痛んだ。
は、何この痛み。
別にどこも傷ついたわけじゃねえのに。
意味のわからないことだらけでついていけない俺の脳は眠りを要求していたらしく、先生の古文の話を子守歌代わりに寝た。
やっぱり夢の中にはまたあいつがいてまた俺を見ながら笑う。
何なんだよいったい。俺が何したってんだよ。
そもそもあいつがいなければこんなことにはならないんだ。
胸が痛んだり、訳もわからんねえ夢で悩まされたり
もううんざりなんだよ。
そう思った瞬間俺の脚は俺の思考に忠実に従い9組のあいつの机の前に来た。
訳もわからないというきょとんとしたような顔をしながら俺を見るあいつ。
さっきまで田島達と話していたんだろう。
机の脇には3つの椅子が無造作に放置してあった。
にこにこと笑顔で媚びるこいつの顔が妙に頭の中にチラつく。
「もううんざりなんだよ。お前に振り回されるのは
だから早く俺のこと好きになれよ」
突然のことでついていってないらしい。
まあ当たり前か。順序踏んでないしいきなりだもんな。
そう思っていたがこいつは俺の顔を見てクスクス笑っている。
は、いったいどういう、、、
そう考えようとした俺の思考回路は小さなリップ音で停止した。
静止した世界の愛し方
(聞いた話によるとこいつは俺のことが好きだったみたいで)
(俺は策にハメられたようです)
++++
支離滅裂とした話になった
名前変換なしでごめんなさい
2011.04.03