drrr

□黒い罠
1ページ/1ページ


*臨也シスコン設定



「姉さん構ってよ」

電球の明かりだけがこの部屋にいる俺達2人を照らす。
部屋の端にある窓はカーテンが閉まっており部屋からは外の景色が判別できないが暗いことは確か。
時計を見ると11の数字を指している。
姉さんはパソコンのキーボードをカタカタ打ってまるっきり俺のことを見ようともしない。

「ねえー姉さーん」

「……うるさいわね。用があるなら簡潔に答えなさいよ」

そういい姉さん黒いチェアーをくるりと回し俺の方を見て睨み付ける。
本当にその目って弟に向ける目つきなの?と思いながらもニコリと笑顔を向けて彼女に顔を向ける。

「本当に姉さんって俺のこと嫌いだよねー」

「わかってるんなら話し掛けないでよ。こっちは仕事が煮詰まってイライラしてんのよ」

眉間に皺を寄せてまるで獲物を取られまいと威嚇をしている野生生物の如く俺を睨み付ける。
いや、睨み付けるなんてもんじゃない。
あの目から放たれる視線全てが俺にとっては殺気なのだ。


「ねえ、いつになったら姉さんは俺を好きになってくれるの?」

姉さんが座っているチェアーの後ろから彼女を抱きしめる。
やはり女性なんだと認識できる細さに驚いた。
あぁ、俺の腕の中に入れても余るくらいだな。
そう思い姉さんに視線向けると顔は見えないが不適な笑みで笑う口元が髪の隙間から覗いた。


「臨也って図々しいわよね。人間皆を愛しながらも一人の人間の愛も手に入れようとするなんて」

そういい姉さんは俺の頬に手を伸ばす。
温かくても冷たくもない体温が俺の肌から感じ取られる。


「臨也、私が貴方を愛さない理由は貴方が平等に人間を愛してるからよ」

さらっと彼女の肌から流れた黒髪は本当に俺と同じものなのかと疑いたくなる程しなやかで美しかった。




(私だけを愛しても)
(貴方にとってそれは罪よ)



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ