黒バス(シリーズ)
□よっつ
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自宅のように自然な動作で玄関のカギを開け、階段を上る。
もう何度開けたかわからないドアを通れば、昨日と変わらない幼馴染の姿。
「おかえり、花宮くん。」
「・・・っ」
ベッドから起き上がらずに相変わらず視線だけ動かす名前。
乱れた思考のままその上に倒れるように覆いかぶさった。
「どうしたのー・・・」
「・・・名前っ」
「はーい?」
「名前っ名前っっ!!」
「なあにー?」
落ち着かない目線を安定させようとするが、視線が止まったのは名前の腕。
青白い、腕。
思わず掴んでみれば冷たさを感じた。
「花宮くん今日はどうしたのー・・・?」
「・・・っ」
「さみしくなっちゃったのー?」
抑揚のない声をだして俺の頭を撫でる少女。
行動に合わず、顔に表情は無い。
「ごめんねー。」
「・・・」
「外で花宮くんがさみしくても、」
「・・・」
「私は一緒にいてあげられない。」
この胸の焦りと言う名の罪悪感は、増すばかり。