黒バス(シリーズ)
□みっつ
1ページ/4ページ
俺の幼馴染は泣き虫だった。
昔からいじめられたわけでもないのに寂しいと言っては泣いて、俺の後をついて歩いた。
それがいつからか無くなって、あいつはいつもヘラヘラ笑う奴になっていた。
それがどうしてか、なんて考えもしなかった。
「おーい。花宮〜。」
「・・・何だ。休憩いらねえってか?」
休憩中に散っていた気が目の前の奴によって強制的に引き戻された。
「そんなこと言ってないじゃーん!」
「・・・用件は何だ。俺は暇じゃない。」
若干イライラし始める思考をなんとか落ち着かせて会話する。
俺らしくもない。
「名前に渡してくれたー?」
「あ?」
「服だよ服!この前やった花柄の!!」
「・・・あぁ。」
そういえば最近名前に着せたのはそれだった。
苺ジャムで汚した服の代わりに渡したのは確か新しい花柄のものだったような気がする。