黒バス(シリーズ)
□渡したものは
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WC予選 決勝リーグ1日目。
試合には出ずに、ただ観戦する霧崎第一高校バスケ部レギュラーの姿がそこにはあった。
横に並んで無感動に試合を見る少女の目は、冷え切っていた。
「秀徳にはボロ負けだな。」
「二軍なんだ。当然だろう。だが……
残り一勝は今確定した。」
「(木吉鉄平……)」
かつて少女が愛した男。
かつて少女が裏切られた男。
かつて、
彼らが壊した男。
「こっちの解剖は済んだからな。」
「行きましょう。これ以上ここにはいられない。」
「名前はほんと、木吉嫌いだよな。」
「原、それ以上言うと怒るわよ。」
「はいはい。」
試合が終わると同時に彼らは立ち去った。