黒バス(シリーズ)
□与えられたのは
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高校2年の夏。
私の耳に入ったのは、吉報。
いや、凶報だろう。
あの男が帰ってくるらしい。
「真。」
「ふはっ。珍しく恐え顔してんな。」
部活が終わった彼氏、花宮真は見透かした目で私を見る。
全てわかっている目だ。
「茶化さないで。わかってるんでしょ?」
「ああ、わかってるさ。“アイツ”が戻って来たんだろ?」
楽しそうに歪む真の顔。
その顔には嫌悪と憎悪が渦巻いた心が見え隠れする。
それをも嬉しく感じる私はおかしくなってしまったのだろうか。
「安心しろよ名前。また潰せばいいだけの話だ。」
そう言って頭を撫でる温かい手に、安心感を覚える。
「期待、してる。」
「おう。」