ワンピース
□ブルー
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それはサチコとキッドが出会うほんの少し前のこと…
「ユースタスさん、あのお店で全部済ませちゃいましょう。」
ユミが指差したのはモノトーンデザインのシンプルな店。
「あ?もっと色んな店見なくていいのか?」
「めんどいので、いいです。」
「お前変わってんな…」
「普通ですよー。さ、行きましょう。」
「おぅ。」
店内に入れば、店にいた客や店員がギョッとする。
最近新聞を賑わせているルーキーの1人と。赤い派手な出で立ちの少女とも言える女が入ってきたのだから当たり前の反応だった。
「ユースタスさん、私これがいいです。」
「どれだ?……………お前これ完璧部屋着だろ。」
ユミが手にとったのはジャージやスエットに似たダボッとしたセット。
「戦闘員なのでこんなんでいいかなー…みたいな。」
「却下だ。お前、キラーだってそんなん気にしねぇで普通の服着てんだろうが。」
「あの方ハイセンスでしょうが。」
「もうお前黙れ。おい店員、コイツに合う服あるだけ揃えてやってくれ。靴もバックもだ。」
「はっ、はい!ただいま!!」
「え。あるだけ?」
「服なんていくらあっても困らねえだろ。」
「まあ…そうですけどιお金大丈夫ですか?」
「ナメんな。こんくらいどうってことねぇ。」
「はぁ、そうですか。あ、店員さん。」
「はい!」
「暗い色だけでお願いします。あと赤。」
「わかりました!」
「お前何でそんなんばっか着やがる。」
「パステルカラーって嫌いなんですよ。」
「初めてあった時は明るかったじゃねぇか。」
確かに、ユミは初めてキッドに会った時、白と薄いグレーのセーラー服を着ていた。
「あれは制服なので、仕方なくですよ。それにパーカーとニーハイ羽織ってたでしょう。」
「ああ…」
そんなこんなで衣類(下着含む)を適当に揃えた2人はそそくさと店を後にした。
「店員さんすっごい笑顔でしたね。」
「そりゃあれだけ買えば店側としては嬉しいだろうよ。着せ替え人形もいたしな。」
「あたしのことですか?もう勘弁してほしいですね。疲れます。」
紙袋を抱えたキッドの横を疲れた顔をしながらもしっかりあるくユミ。
「俺はそこの武器屋を見てくる。荷物は置いてくから、お前は店の前で待ってろ。」
「わかりました。」
30分…
「遅い…」
ついに痺れを切らしたユミは、近くの広場まで重い荷物を引っ張り、ベンチに座った。
「ふぅー…」
(近くだし、武器屋から出てきたらわかるよね。)
そうして更に待つこと30分…
「zzz…」
寝ていた