テニスの王子様
□第六話
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仁王「こりゃまた派手にやったのう。呼ぶのがちと遅すぎるんじゃなかと?」
呑気に部屋を見回して言うヴァンパイア、仁王雅治。
柳生「『今すぐ私のもとに来い』ですか。いきなりの呼び出しはやめていただきたいものですね。」
ユミ「ふっ・・・飼い主に逆らうのか?」
柳生「おやおや、滅相もない。」
わざとらしく肩を竦めるもう一人のヴァンパイア、柳生比呂士。
ナツコ「今まで何してたのよ蓮二・・・」
柳「姫様の限界を予想しての登場です。」
ナツコ「相変わらず嫌な性格してるわね・・・!」
柳「ピンチに駆けつけてこそ、の王子と言うものでしょう?」
ナツコ「鳥肌でちゃう冗談はよしてよ。蓮二は一生私の家来でしょう?」
ピンチとは思えない空気で談笑をするメデューサ族、柳蓮二。
その間不二は突然現れた家来たちを前に驚いている。
不二「馬鹿な・・・ヴァンパイアとメデューサ族の長がどうしてここに・・・!!」
柳「正しくは『元』長だな。」
仁王「俺たちは訳ありでな。どうやら一生ここに縛られる運命のようじゃ。」
柳生「まあ、それも一興。不満はあれど、文句はありません。」
妖怪の中でも名のある者たちを前にして、不二は怯む体制を見せていた。
ビキビキビキビキ・・・・!!
不二「しまった・・・っ」
見開かれた柳の眼を見てしまった雪女は足元から自分の体が石に変わっていくのを見ていることしかできない。
仁王「さあ、ここからが本番じゃろ?」
愉快そうな仁王の声が広間に響いた。