テニスの王子様
□第三話
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〜黄犬塔(ナツコの住まい)〜
「ナツコ様。少しよろしいですか?」
柳蓮二。メデューサの末裔、メデューサ族の長の弟。現在、長は姉が務めている。
ナツコ「何かしら?」
柳「突然このようなことを申し上げるのはどうかとも思いましたが・・・」
ナツコ「いいわ。言ってみて。」
柳「もう一人でいいのです。家臣を増やしていただけないでしょうか?」
本当に困ったような顔で言う柳。
ナツコ「仕事が大変ってこと・・・?」
柳「赤也の資料の完成度が悪いため、こちらに回ってきまして・・・。」
ナツコ「真田はどうしたの?いつもその役回りはそっちに任せてるはずよね?」
柳「手に負えず・・・と言ったところでしょうか。」
ナツコ「・・・なるほどね。」
ユミの家臣、切原赤也が事務処理に向いてないことは知っていた。
だからこそユミ自身も手を貸し、サエカのところの真田にも手伝わせていたが・・・そろそろ限界のようだった。
ナツコ「本当はユミの家来を増やすべきなんでしょうけど、あっちもそんな暇ないものね。」
なんだかんだ言っても、ユミは家来に甘い。
ナツコ「わかったわ。もう一人雇いましょう。」
柳「知り合いに魔族の男が一人おりますが・・・。」
ナツコ「いいわ。頼みにくいでしょう?自分で適当に見つけてくる。」
柳「わかりました。」
ナツコ「ちょっと城を開けるわ。来客は追い返して。」
柳「承知しました。お気をつけて。」
そうして単身、町へ出かけたナツコ。