テニスの王子様
□第九話
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「王はリリ様のこと、すっげえ可愛がってると思うけど?」
「そうかなぁ・・・?」
ブン太には確信があった。
普段、自分やジャッカルが政務を失敗しようものなら膨大な量の始末書と黒い笑顔をプレゼントされる。
しかしリリの場合は、『次は気を付けようね』と言っただけで手直しをしてくれる。
可愛がられていないはずがない。
扱いの差が激しすぎやしないか。
悲壮感に駆られるそうになる心を持ち直し、溜め息を一つ吐いてブン太は続ける。
「あのなあ、性格とかはともかく。勉強は普段の努力が実るモンだろい?」
「・・・授業眠いもん。」
「リリ様自業自得って言葉知ってる?」
もはや鈍感さと馬鹿っぷりに呆れる。
「何してるんですか丸井さん。」
またしても違う声が乱入する。
丸井「げ。日吉・・・。」
リリ「日吉だー。」
日吉「こんにはリリ様。丸井さん、あまり嫌そうな顔をしないでください。もっと嫌がることをしたくなるので。」
丸井「お前性格歪んでるな!!」
日吉「褒め言葉ですね。」
不敵に笑う日吉若。
日吉「そんなことより復旧作業に連れ戻しに来ました。」
リリ「・・・ブン太仕事放って来たの?」
丸井「・・・休憩だよ。」
目を逸らすブン太。