切原×桜乃 長編
□出会い
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切原は大会会場にいた。
特に大きな大会ではないためリラクッスをして試合に臨んでいた。
すでに行われている試合観戦をしていたが、あまりにレベルが低く、結局、ため息をついて自分の先輩たちが控えている場所に帰るつもりで足をすすめた。
その途中、あの選手をみた。
越前リョーマだ。
しかし、様子が違う。
いやに楽しそうに誰かと話している。
それなら通り過ぎればいいだけなのだが切原は、何かが気なってさらにその場に近付くと越前の会話が聞こえてきた。会話といっても一方的に越前が話している感じを受ける。
“ひとりごとか?”と赤也はそちらのほうへ顔を出す。
そして、今にも泣きそうな女の子を見た。
それなのに、越前は女の子をあおるような話し方をやめない。むしろ楽しんでいる。
切原は許せなかった。
「おい、越前リョーマ、何、女の子泣かしてんだ。」
“最低だな、お前”と20cm近い身長差から見下ろして睨む切原。
越前は“はぁ?何言ってんのお前”と切原の言っていることがわからないかのように、睨みかえす。
越前からすれば桜乃と楽しい交流時間を過ごしていたのを邪魔されたのだ。怒り心頭といったところだった。
何か越前が切原にたいして言葉を発しようとしたとき、青学の試合のあるコートから越前に集合がかかった。
“ちっ”っと憎たらしく舌打ちを打って、越前はその場を去った。
一方桜乃は急 に現れた切原の存在に驚いていた。
桜乃は彼がだれなのか、一生懸命、思考をたどる、
立海のジャージ。それもレギュラー。そして越前をしっている。
そこから、当てはまる人物といえば「切原 赤也」立海大の2年エースだ。
コート上での彼、独特のプレーを思い出し。恐怖を覚え思わず、数歩下がる桜乃。
それを見て、切原は“ぎょ”として必死になって訴えた
「ちょ、お願い。逃げないでよ。俺、そんなに怖くないから。」
ワタワタと桜乃が怖がったことを受け、コート上での自分とは違うという一生懸命のアピールに桜乃は自分でも気がつかないうちに笑っていた。
オーバーアクションが役に立ったのか彼女が笑ってくれて、逃げなくなったことに安堵する切原。