オリジナル小説

□消された記憶
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「ちょと……運転手……前を見てないわよ……」

女性がそう言うと周りの人は一斉にバスをみた。

私の所からだと光が反射してあまりよく見えない。だけど、周りの反応は、

「ほんとだ……」「顔が見えない」などの言葉が飛び交った。

そして、重大な事に気がついた。

バスが全く減速しない。むしろスピードがあがっているような気がする。

どんどん近づいてくる……。

私達はいやな予感がした。その瞬間、

『逃げろーーっ!』誰かが叫んだ。


バスのタイヤが急にを私達の方に向いた。

誰かが叫んだ間に合わなかった。

バスは急に私達の方に方向転換をし、バスを待っていた私達の列に突っ込んだ。

逃げたかった。
この場から逃げなきゃいけない。
そう感じた時にはすでに遅かった。

「きゃぁぁぁっっ!」

私も大声で叫んだ。

激痛がはしった。

私は、どこかに吹っ飛ばされた。

地面に思い切り叩きつけられた。

がっしゃぁぁんっっ…
ばりんっ!ごんっ!今まで聞いたことのないような人のうめき声と色んな衝突音が私の耳に無理やりつめこまれた気分だった。
バスは、やがてものすごい音とともに横転した。


私はそのまま気を失った。
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