オリジナル小説

□消された記憶
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しらない女の人がいきなりぶつかってきたのだ!

おかげでスクールバッグの中身は全てひっくり返って地面にぶちまけられた。

女の人の紙袋の中身も全てひっくり返ってしまった。

……携帯が地面に叩きつけられたのが何よりもショックだった……。

「すみません!すみません!慌てていたもので、……すぐに拾います!!」

女の人は慌ただしく私のスクールバッグの中身を拾い始めた。

……そしてかなり強引に詰め込んだ。

私も拾うのを手伝ったが……強引に詰め込むのは少し納得ができない雑な扱いだった。

女の人は拾い終わるともう一度すみません!と頭を下げた後慌ただしくどこかへ走ってしまった。

なんて、慌ただしい人なんだろう。

帽子を深くかぶっていたので顔は伺えなかった。
私が唖然としていると、

「あの、落ちていますよ?」

と、声をかけらた。

声の方を振り返ると私の隣の男子学生だった。

彼の手に持っていたのは私が夢中で読んでいた本だった。

「あっ、ありがとうございます」

私は彼から本を受け取った時、彼の後ろからバスがやってくるのが見えた。

スクールバッグに本をいれる時に、しおり代わりにはさんだレシートが無いことにきがついたが、今更仕方ないので探すのをやめた。

財布の中にある定期券を探してバスに乗る準備を始めた。


その時だった……。

誰かが……バスの様子がおかしいことに気がついたのは。
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