オリジナル小説
□消された記憶
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今日は土曜日。
バスなら土日運休とかいってバスが通う数が少ない。
だからと言って…。
…これはないな…。
私はそう思いながらバス停に貼ってある時刻表とにらめっこをしていた。
「まさか、ちょっと買い物しにバスに乗っただけなのに……一時間以上待たないといけないとは……」
思わず声をもらしてしまった。
そうなのだ。
私はファッションチェックをかねてのこの辺で一番規模の大きい本屋さんがある駅にバスで通ったのだ。
それが、本を買ってちょっと読んでみるとはまってしまい今すぐ読みたいあまりにバス酔いをする私は3つくらいバス停を歩きながら本を読もうと思った結果がこれだ。
バスに乗り遅れてしまった。
挙げ句の果てにバスはいまから一時間以上来ないのだ。これなら、素直に家まで我慢してバスに乗ってけばよかった。
でも、まぁ仕方ない!
私は開き直ってバス停の横にあるベンチに座って膝にスクールバッグを置き本を読み始めた。
読み始めてからどのくらいたったか分からない。それくらい夢中に読んでいた。
バス停に人が集まりいつのまにか私の隣に知らない男子学生が座っていた。
そろそろバスの来る時間かなと思いポケットからくしゃくしゃのレシートを取り出してしおり代わりに本にはさんだ。
そして、スクールバッグから携帯をとろうとチャックあけた瞬間後ろから突然衝撃を感じた。