trust-絆-
□人間不信と音信不通
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もともと、人間なんて好きではなかった。
ただ、自分の感情を『恐怖』や『苦しみ』にするだけのものだった。
漫画家という仕事を選んだのもその影響だ。
家から出なくてすむ。
収入も結構ある。
必要以上に人とかかわらなくてすむ。
だから漫画家になろうと思ったのかもしれない。
でも、一応学校には行っている。
親に引きこもりとバカにされるから。
『優秀な高校、優秀な大学へ行きなさい』
これがウチの親の口癖。
ふざけるな、こんなのただ優秀な子どもとして周りに自慢したいだけだろ
そう。子供なんてしょせん大人の話題でしかないのだ。
つまらない未来
ただ流されるだけ。
そう。
『親の言うままになりたくない』
この思いが私を変えた。
大人の理想通りになってたまるか
私は自分で人生かえてやる
そして、漫画家として生きることを決意した時も
『なにバカなこと言ってるのよ!あんたただでさえバカなのに!漫画なんて描く暇あったら勉強しなさい!!今はとにかく勉強でしょう?!どうしてそれがわからないの?あんたなんかどうせアシスタントどまりよ!!あーそうですか、そんな物わかりの悪い子だとは思わなかったよ!!!』
ってさ。
自分の思い通りにならなきゃすぐにこのざまだ。
すぐに暴力をふるう。
殴ればいいとでも思ってんの?
私は許さない。
ここまで私のことを追い詰めた親を許せない。
私は―――――――――――…
この人のせいで人間を信じられなくなったのに。