小説
□夜の、日課。
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「サスケー!!」
リビングから俺を呼ぶ幼く高い声が聞こえる。
俺は自室で本を読んでいて、丁度読み終わったところだ。
「何だ?」
リビングのソファーに寝転んでテレビを見ているナルトに問い掛ける。
「歯磨いて!」
「あぁ?そのくらい自分でやれ」
何かと思えば…歯を磨けだと?
「やだー!!俺もう疲れた!ねー磨いてってばー」
薄い布団にくるまって眠そうな目で駄々をこねられる。
全く…
「いつも自分で出来てるだろ?」
「今日はもうエーギョーシューリョーだってばよ」
「何が営業終了だ。めんどくさい」
「俺もだってばよ!」
俺もってなぁ…。
……ハァ。
これは何を言っても折れなさそうだな…
「ったくしょうがねえな…こっちこい」
「ここで!」
今日のナルトは特に駄々っ子だ。
そんなところも可愛いと思ってしまう俺は…ブラコン、いや兄バカなのか?
「ハァ……わかったよ。」
このままじゃ時間が過ぎるだけだから了解してやった。
まぁ…たまにはこういうのもいいだろう。
「やった!!サスケ大好き♪」
と言って俺の下半身にソファーに座りながら抱き着いて来た。
俺の好きな太陽のような笑みで。
下半身がほんの少しだけ反応してしまったのは不可抗力というものだ。
「こらっどこに顔当ててんだ!!」
「ふぇ?」
本人は全く“そういう”意味は無いのだろうが…やられてる側としては、……
いい眺めだ。
「歯ブラシとか持ってくるから待ってろ。」
「はーい!」
もう少しあの状態を保持していたかったがあのまま喋られるとたまったもんじゃない。
多分少しだけ顔が赤くなっているだろう俺はナルトの歯ブラシ等を洗面所に取りに行った。