小説
□真夜中の…
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恐らくみんなが寝静まっただろう頃。
持参したデジタル時計のスイッチを押すと時計画面が緑色に光り、いきなり目に入った眩しさに目を細める。
時刻は真夜中の3:07を指していた。
「(眠れねえ……)」
部屋の入って左の一番奥という特等席(ベッドか)で仰向けになって軽い溜め息をつく副室長の俺、うずまきナルト。
その隣には室長、うちはサスケが静かに眠っている。
キバとチョウジのいびきが部屋に響く中、カーテンの僅かな隙間から差す月明かりが幻想的だった。
そんな絵を半開きの目でボーッと見つめ、暗闇でほとんど何も見えない周りを見渡す。
やはり自分以外全員眠りについているようだ。
「(はぁ…何だってばよこいつら!今日はオールだとか騒いでた癖に…。見事に全員寝てんじゃねーか)」
スキーの疲労は思っていたより重く、思春期真っ盛りの男子のテンションにも勝った。
勿論ナルトも相当はしゃいだため、疲れていない訳ではない。が、それとこれは別なのだ。だからって眠れる訳ではない。