妹達との日々をもう一度(長編)

□第14話「思いよ届け!…新たなる誓約」
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戸賀崎side



スA「…戸賀崎さん…大丈夫ですか?」


スB「…物凄い汗っすよ?…」



それもその筈…骨折は免れたが…宗司の投げによって
あばら骨が3本ほどヒビが入っているのだから…



戸賀崎「宗と1番付き合いが長いのは俺だ…
    俺が探さない訳にいかんだろ…」


スA「…昨日…久しぶりに1期生の笑顔が見れたのに
   世の中…理不尽ですね…」


戸賀崎「あぁ…だが今回は事が事だけに何も知らない連中には
    話さないで置こうって考えが不味かった…」



2人のスタッフも無言で頷く…



戸賀崎「にしても…駄目だ…東京は広い…むやみに探しても駄目だ…」



戸賀崎さんは突如立ち止まり…目を閉じ集中し始める…



戸賀崎「…考えるんだ…宗ならどこに行くかを…
    思い出せ…宗の行動を…6年前あいつはどう行動した…」



その時である…戸賀崎さんが目を見開いた!



戸賀崎「…劇場の近くだ…」


スB「え?」


戸賀崎「探してくれてるメンバー及びスタッフに劇場近くを
    集中して探せとメールを入れろ!」


スA「りょっ了解!?」


戸賀崎「宗は前の自殺の際…劇場の近くで飛び降りた…
    今回もその可能性が十分にある!?
    今現在劇場の近くで一番高いビルはどこだ!?」


スB「確か"秋葉原シティビル"が16階で1番高いはずです!」


戸賀崎「俺達はそこに向かうぞ!」


2人「了解!」



戸賀崎side終了





宗司side



一方その頃宗司は…戸賀崎さんの予想通り…
秋葉原シティビルの屋上いた…



何やら宗司の中に居る…もう1人の宗司と会話をしているようだ…



全ての家族を事故で失った悲しみの中…



孤独感から逃れる為に誕生した相棒…



宗司の中にもう1人の人格が出来てしまったのだ…



やはり…あの時…死ぬべきだったのかもしれない…



…良いのか?1期生は永遠に笑わなくなるぞ?…



だが俺のせいで…これ以上関係が悪くなるのを見たくない…



…そうだな…それに1期生は仲間が救ってくれるだろう…



あぁ…俺ももう疲れたよ…そう…疲れた…



ここなら前回より高い…生き残る事はないだろう…



でも…楽しかったなぁ…あぁ…楽しかった…



悲しい事もあった…でも…楽しい事も多かった…




宗司は屋上で目を瞑り…大の字に寝転がり…
走馬灯の様に頭の中に浮かぶ今までの人生を振り返っていた…




再び 戸賀崎side


数分後、戸賀崎さん達は現場で聞き込みをしていた…



スA「紺色の和服にバンダナを巻いた男性が
   このビルに入るのを見た若者が居ました!」


戸賀崎「…どんぴしゃだったな…」


スB「高城さん等に連絡がつきました!
   こちらに向かっているそうです!」


戸賀崎「他の人間達にも連絡を入れてくれ…
    人間は多い方が良い…」


スA「連絡はしてあります、私はここでメンバーを待ちますので
   戸賀崎さん達は宗司君を追って下さい…手遅れにならないうちに!」


戸賀崎「…すまない…よしっ!行くぞ!」


スB「はい!」


戸賀崎「間に合ってくれよ…」



そう言い2人はビルの中に入って行った…



戸賀崎side終了






そして…さらに数分後…



最初の戸賀崎さん指示通りメンバー達は劇場近くを探していた為
発見の連絡を受けたメンバー達は同時にビルに辿り着く事となった…



スA「…来た!高城さんこっちです!」



スAの呼び掛けに気付いたあきちゃ達が駆け寄って来た…



高城「はぁはぁ…宗司さんがこのビルに!?」


スA「はいっ!入るのを見ていた若者が居まして…」


高橋「…高いビルですね…」


スA「…スBの話だと…16階建てだそうです…」


板野「…こんな所から飛び降りたら…一溜まりもない…」


スA「手遅れにならない様に戸賀崎さん達が先に屋上に向かいました!
   みなさんも屋上に向かって下さい!エレベーターは1番突き当りにあるそうです!」


宮澤「判りました!」


峯岸「みんな行くよ!」



メンバー達はメレベーターに乗り込み…屋上を目指す…



大島「お願いだから…間に合ってよ…」


高城「きっと戸賀崎さんが止めていてくれてるはずです…」


才加「……」



才加は無言で震えている…



前田「…才加…さっきはごめん…何も話さなかった私達も悪かった…
   でも…宗さんには…ちゃんと謝ってね?…
   あの人のお陰で…今の私達があるのだから…」



才加は深呼吸をし話し出す…



才加「…私もごめん…そして判っている…
   許して貰えないかも知れないけど…ちゃんと謝るよ…」


峯岸「その辺は…大丈夫だと思うよ…」


才加「え?」


高橋「優しいからね…これ以上無い位に…」



…チーン… どうやら最上階に着いた様だ…


メンバーは一斉に屋上の扉の方に走って行った…

 
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